2023.01.18 00:00 更新
2023.01.18 取材
データのバックアップや外部からのアクセスのために、NASを重宝している自作ユーザーはそれなりにいると思います。日々増え続ける大切なデータを守るために、かなり大規模な構成を組んでいる人もいるでしょう。
今回Kickstarterからウォッチするのは、どうせなら盛りに盛りまくった“完全体”を使ってみたいという人向けな「Storaxa」。膨大なデータ量を抱え込めるドライブ数や最先端のインターフェイスはもちろん、Wi-Fi 6対応ルーターまで一体化させてしまったという異形のモデルです。目標額がかなり低めに設定されていたこともあり、現時点で(額面上は)目標の10,000%以上を達成。手がけているのは中国広州のArrotrack Technologyで、これが初めてのプロジェクトとのこと。
まずストレージ関連の構成を見ていくと、3.5インチベイ×5とM.2 SSDスロット×4を搭載していて、RAID 0/1/5/6/10に対応。22TBのHDD×5と8TBのM.2 SSD×4を組み込めば、なんと最大142TBを構築できる計算です。・・・はたして個人で運用する場合は使い切ることができるんでしょうか。
ちなみにメーカーによれば、(現実的な構成として)22TB HDD×4でRAID 5を構築しつつ、RAID 0の4TB M.2 SSD×4(16TB)とそのバックアップ用に16TB HDDを運用する、合計82TB構成が推奨されています。
内部はTDP 10Wの4コアCPUであるPentium Silver N6005ベースのシステムになっていて、DDR4 16GBメモリとOS用に128GB SATA HDDを内蔵。設計イメージを見るとちょうどMini-ITXくらいのマザーボードが使われているようで、合わせて120Wの電源ユニットも組み込まれています。
インターフェイスは2.5ギガビットLAN×4のほか、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×3(フロント×1/リア×2)、USB 2.0×2、SDカードリーダー、さらに画面出力用のHDMIとDisplayPortまで搭載しているという豪華な構成。ワイヤレスはWi-Fi 6に対応しています。Wi-Fiルーターとしても優秀な機能を備えているようですね。
さてそんな「Storaxa」のキャンペーンは、2023年2月11日23:00(日本時間/UTC+09:00)まで。すでに超早割は終了していますが、現時点で45%オフの早割が適用された219ドル(28,000円前後)からのプランが選択できます。
機能面や組み込まれている諸々を考慮すれば、破格と言える価格設定。ただあまりに安いと感じるためか、コメント欄では「詐欺なのでは?」という突っ込んだやり取りも交わされているようです。クラウドファンディングにはこうした機能マシマシな面白ガジェットが並ぶ一方で、その手のリスクがあることも意識しなければいけないのが難しいところですね。
文: 編集部 絵踏 一
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/