2023.04.01 19:09 更新
2023.04.01 取材
Thermaltake Technology(本社:台湾)は2023年4月1日(土)、東京・秋葉原の通運会館2階にて「2023年Thermaltake新製品発表会」を開催。新構造のPCケース「CTE」シリーズを国内初披露した。
フロント、リア、ボトムの3面から吸気する「CTE」(Centralized Thermal Efficiency)構造を採用する |
Maximum Turbo Powerが253Wに達する第13世代Intel Coreプロセッサや、TGP 450WのGeForce RTX 4090など、最近のハイエンドCPUやグラフィックスカードは消費電力が増加し、これまで以上に冷却が難しくなってきている。そんな発熱の大きい最新ハイエンドパーツを効率よく冷やすため、Thermaltakeが新たに提唱したPCケースが「CTE」シリーズだ。
これまでも採用製品があった、マザーボードを通常から90°回転して配置し、ボトムのほぼ全面を吸気孔、トップのほぼ全面を排気孔とする“煙突効果”により効率的なエアフローを実現。さらに「CTE」シリーズでは、フロント側をCPU冷却用の吸気孔に、リア側をグラフィックスカード冷却用の吸気孔としてデザインすることで、主要な発熱源であるCPUやグラフィックスカードにフレッシュな外気を最短で届ける事が可能。これにより、発熱の大きいハイエンドパーツを効率的に冷やすことができるようになるという。
「CTE」シリーズでは、90°回転配置と3面吸気設計により、CPUやグラフィックスカードをフレッシュな外気で冷やし、暖気を一気に排出することができるようになるという |
またデュアルチャンバー設計により、電源ユニットやケーブルの大半をマザーボードトレイ裏側に隠すことができることから、エアフローを阻害するものを最小限に抑えることができる他、Thermaltake「The Tower」シリーズのような魅せるPCの構築にも向く。
後半のセッションでは、門馬ファビオ氏が登壇。「CTE」シリーズの「C750 Air」をベースに門馬氏が構築したPCを会場に持ち込み解説を行った。「CTE」シリーズの上位モデルでは、最高で14台の140mmファンを搭載できるものの、すべてのファンを搭載した状態ではファンの回転数を細かく調整しないとそれぞれのファンの風が干渉してしまい効率的なエアフローを構築することができなかったとのこと。
持ち込まれたシステムには4基のコントローラが実装され、ファンの回転数が細かく調整されていた |
デモ機の前にはサーモグラフィが用意され、実際に各パーツの温度が確認できるようになっていた |
門馬氏によれば今回構築したPCでは、フロントとリアの3基の140mmファンはいずれも中段のファンを高速回転、上段と下段のファンを低速回転に設定。さらにトップとボトムのファンを高速回転にすることで、効率良いエアフローを実現できたというが、このあたりは構築するシステムによっても変わる可能性があり、自作ユーザーの腕の見せどころといったところだろう。実際、効率よく排気ができるようになったシステムでは、CPUやグラフィックスカードの温度が大きく低下したとのこと。
C750 Air |
門馬氏の実動デモ機でも使用されていた「C750 Air」は、「CTE」シリーズの最上位モデル。冷却ファンはフロントとリアが120/140mm×3または200mm×2、トップが120/140mm×2、ボトムとマザーボードトレイサイドが120/140mm×3を搭載でき、ラジエーターはフロント、リア、マザーボードサイドが360/420mm、トップが240/140mm、ボトムが360/280mmまで対応する。
ストレージは2.5インチドライブなら最大12台、3.5インチドライブなら最大7台まで搭載可能。CPUクーラーは全高190mm、電源ユニットは奥行き200mm、グラフィックスカードは長さ420mmまで対応し、別途ライザーケーブルを用意すればグラフィックスカードの垂直設置もサポートする。
ディスプレイケーブルやキーボード、マウスなども裏面を通して配線できるため、ケーブルの露出を最小限に抑えられる |
「C750 Air」の他、「C750 TG ARGB」のバリエーションモデルが用意される |
フォームファクタはE-ATX(12×13インチ)、ATX、MicroATX、Mini-ITX、I/OポートはUSB 3.2 Gen 2 Type-C×1、USB 3.0×4、HDオーディオ×1。本体サイズは幅327mm、奥行き599.2mm、高さ565.2mm。本体カラーはブラックとホワイトの2色で、フロントが強化ガラスパネルの「C750 TG ARGB」もラインナップする。
C700 Air |
「C700 Air」は、「C750 Air」より一回り小さい「CTE」シリーズのハイエンドモデル。冷却ファンはフロントが120/140mm×3または200mm×2、トップが120/140mm×2、リアが120/140mm×3または200mm×1、ボトムが120mm×3または140mm×2を搭載でき、ラジエーターはフロントとリアが420/360mm、ボトムが280/240mmまで対応する。
「C750」「C700」とも各種パネルはツールフリーで着脱できる |
ストレージは2.5インチドライブを最大7台搭載でき、CPUクーラーは全高190mm、電源ユニットは奥行き200mm、グラフィックスカードは長さ410mmまで対応する。
フォームファクタはE-ATX(12×13インチ)、ATX、MicroATX、Mini-ITX、I/OポートはUSB 3.2 Gen 2 Type-C×1、USB 3.0×2、HDオーディオ×1。本体サイズは幅327.6mm、奥行き505.5mm、高さ566.5mm。こちらも本体カラーはブラックとホワイトの2色で、フロントが強化ガラスパネルの「C700 TG ARGB」もラインナップする。
「C750」「C700」はいずれも今夏発売予定で、現時点価格は未定。Thermaltakeでは「CTE」シリーズのミドルレンジモデル「T」型番、およびエントリーモデル「E」型番も準備しており、順調ならCOMPUTEX TAIPEI 2023に合わせて披露される見込みだ。なお会場には、最近発売された製品や近日中に発売が開始される製品が展示されていたので、画像で簡単に紹介しておこう。
今年1月に発売が開始された「Ceres 500 TG ARGB」 | フロントパネルが交換できる「View 300 MX」 |
4月14日より国内発売が開始される低価格PCケース「S200 TG ARGB」 | ブレードの交換ができる「SWAFAN RGB」シリーズ |
磁気コネクタを採用する「SWAFAN EX RGB」シリーズはまもなく国内発売が開始されるとのこと | ATX 3.0対応電源ユニット「TOUGHPOWER GF3」 |
80PLUS PLATINUM認証取得のATX 3.0対応電源ユニット「TOUGHPOWER PF3」 | 4月14日より発売が開始される国内限定電源ユニット3シリーズ |
メディア向け発表会のあとには、一般ユーザー向けの新製品発表会やゲームセッションなども行われた |
文: 編集部 池西 樹
Thermaltake Technology: https://jp.thermaltake.com/