2023.05.27 00:00 更新
2023.05.27 取材
決して広くはないお店に、同人ハードやレトロゲームなどがあふれるカオス空間。ここ家電のケンちゃんにて、“家電のHRDちゃん”こと店長の原田さんにディープなアレコレを語ってもらう「教えて!HRDさん」。今回は、何気なくアキバのジャンク屋で見かけている什器が、実は色んな遍歴を持っているかも、というお話。
高めのモノを入れておくガラスケースのような什器って、買おうと思うとそれなりに値が張るんですよ。大手の量販店とかキレイなお店なら都度新調するんでしょうが、アキバに点在するジャンク屋のような商売だとそうはいかない。どこかが店を閉める時にもらってきて、それがまた受け継がれて・・・てな話が珍しくないんです。
人も物も横の繋がりが多いアキバのジャンク屋。閉店などをキッカケに、什器も色んなお店を旅している? |
なにしろそのまま捨てればただの廃棄物、処分するにもお金がかかるわけですよ。だから捨てる方は使ってもらえば処分費用が浮くし、何なら多少なりとお金にしたい。もらう方は高価な什器がタダ同然で手に入る、Win-Winの関係というヤツですな。
ちなみにレトロゲームのデモやら陳列に使ってる黒フレームのガラスケースは、三月兎2号店を閉めた時に、この店が譲り受けたものですね。その前はメディア屋のあきば○ぐで使われていて、その当時に貼られた謎のチップが目印(笑)。何気なく店に並んでいる什器に、実はアキバの歴史がつまっているという一例です。
入り口近くにあるグレーの扉がついたガラスケースも、前は三月兎1号店で使っていたもの。基本は付き合いのある店や知り合いに「使わない什器あるけどいる?」みたいに聞いて譲るので、ウチには三月兎経由での什器が多いですね。
ちなみにその前は、万世橋の向こうにあった文房具屋で使われていて、よく見ると扉にパーカーやウォーターマンのロゴが入っているのが分かります。文房具に詳しい人が気付いたら、ちょっと不思議な気分になったかもしれません。
一番奥でフックなどを引っ掛けている、壁面の網状什器も三月兎からやってきたもの | このガラスケースも三月兎経由だが、やはりその前は別の店で使われていたらしい |
基本は新規で調達することは稀なので、それ以外の什器もたいていどこかからの貰い物。地下の秋葉原最終処分場。でレトロ博物館みたいになっているガラスケースも、同じラジオデパートのジャンク屋が店を閉める際にもらったものです。見た目は結構ご立派ですが、ガラスが恐ろしくペラペラで・・・運ぶのにものすごく気を使った思い出が(笑)。
まぁそんな具合で、アキバのジャンク界隈を長くうろついていると、どこかで見覚えのある什器に出くわすかもしれませんよ。
業界でかなり有名なオモチャ屋から譲り受けたというガチャマシーン。本来は石鹸などの販売用で、機材は大都技研製 |
文: 編集部 絵踏 一
家電のケンちゃん: https://www.gdm.or.jp/shop/2017/0101/193926