2023.05.31 00:00 更新
2023.05.30 取材
順調にいけば9月にも市場に投入されるという新型PCケース、MSI「MPG GUNGNIR 300P AIRFLOW」。とかく専売メーカー以外からリリースされるPCケースと言えば「いいとこ取り」で「ギミックが凝縮」された製品が多い。圧倒的に選択肢が限られている事が最大の理由だが、その分ハズレが少ないとも言えるだろう。
MSI「MPG GUNGNIR 300P AIRFLOW」。バリエーションモデルとして、RGBファン標準の「MPG GUNGNIR 300R AIRFLOW」も用意される |
MSIが用意したMPG GUNGNIR 300P AIRFLOWは、既存モデルの「MPG GUNGNIR 110」シリーズを思わせるフロントパネルデザインを採用。左側面には強化ガラスを装着し、内部丸見えの魅せるPCケースが基本コンセプトだ。
一方でエアフローも重視。それも既存モデルにはない、新たなアプローチで製品を特徴付けている。まずご覧頂きたいのは、前後に装備された小径ファンだ。
フロントファンより後方に設けられた80mmファン1基 |
リア標準の60mmファンx2基 |
まず前面ファン(120mm x3基)より後方には80mmファンが1基装備されている。よく見るとマザーボードトレイ側のスリットにネジ留めされ、上下方向と左右方向へ任意で可動する。さらにリアには近頃では珍しい60mmファンを2基装備。ご覧の通り、拡張スロットが垂直レイアウト時(水平レイアウトから変更可能)に限ったスタイルだが、これでマザーボードと正対するグラフィックスカードとの間に、新たな風の流れが完成するワケだ。
この狙いは、PCI Express 5.0対応SSDとハイエンドグラフィックカードの冷却で、垂直レイアウト時のエアフロー効率の悪さに着目。新たに用意した改善策により、SSDの温度は5℃、グラフィックスカードの温度は2℃下げる事ができたという。これまであまり取り上げられなかった、新たな熱源に対するシンプルな仕掛けは説得力があり、今後追随するメーカーが出てくるかもしれない。
その他、重量級グラフィックスカードを支えるサポートアームも標準で装備。LEDを内蔵し、単に支えるだけに留まらず存在感をアピール。魅せる事に徹した装備もMPG GUNGNIR 300P AIRFLOWを特徴付ける脇役となるだろう。
なおバリエーションモデルの「MPG GUNGNIR 300R AIRFLOW」は、RGBファンが標準で装備される代わりに、ライザーケーブルと80mmファン、60mmファンは付属しない。
トップパネルには120mmファン3基を並べた360mmサイズラジエーターが搭載可能。従来ミドルタワーより高さを確保する事で、冷却ファンサンドイッチ状態でもマウントができる |
文: 編集部 松枝 清顕/取材:池西 樹
Micro-Star Int'l Co.,Ltd.(MSI): https://jp.msi.com/