2023.06.02 02:24 更新
2023.06.02 取材
COMPUTEX TAIPEI期間中、一般ブースは構えず、メディアや顧客向けのクローズドイベントを開催するメーカーは多い。じっくり説明や商談ができる事が最大のメリットだが、Antec(本社:アメリカ カリフォルニア州)もその中のひとつだ。今回もGrand Hyatt Taipeiの一室には、複数の製品を用意。その中でも最も気になったのがミニタワーPCケース「540」(プロトタイプ)だ。
ホワイト色の筐体に、高輝度のホワイトLEDが内部を彩るニクイ演出。展示場の照明具合も手伝って、アンダーLEDのような効果がより筐体を際立たせている。イルミネーションに惑わされず、ここはじっくりと観察していこう。
新作ミニタワー「540」は、スチール製MicroATX対応ケース。近頃の試作はほぼ製品版に近い状態で、540もこの様相で「年内の発売は難しい」(Antec担当者)という。説明によると、どうやら設計の問題ではなく、仕様が決まっていない箇所があるようだ。小型PCケース好きな筆者としては、早く販売してほしいところ。そういえば、その昔Cooler MasterにもミニタワーPCケース「540」があったような。(注※ここで頭に浮かんだのはMasterBox 540ではなくCenturion 540の方)
組込デモ機により内部構造を見て行くと、電源ユニットはフロントパネル裏にマウントされている。つまり電源ケーブルは内部を中継し、背面左角にはインレット(3pin)が搭載される。このスタイルは内部容積が限られたミニPCに採用例が多く、リアパネルを電源ユニットが占有しない分、拡張スロットや冷却ファンにスペースを譲る事ができる。
強化ガラス越しに左側面から内部を見ると、目に付くのは明らかにハイエンドなグラフィックスカード。構成表を見ると、ASUS「ROG Strix RTX 4080」であることから、幅149.3mm、厚さ70.1mm、長さは357.6mmにもおよび、フロント搭載の電源ユニット(Antec NE1000G M ATX3.0 White)は上手にRTX 4080を避けている様子が見て取れる。ちなみに電源ユニットは4段階にマウント位置の調整ができるそうで、デモ機のような長尺グラフィックスカードを搭載する事が想定されているようだ。
右側面から裏配線スペースを見ると、あくまでデモ用の配線とは言え、そこそこスッキリと収められている印象。RGBコネクタ用のハブも2つ搭載し、画像右下のファンコネクタの束もこの状態でサイドパネルが閉まるようだ。それなりに裏配線スペースは確保できているという事だろう。
トップパネルを外してみると、360mmサイズラジエーター仕様のAntec「Vortex 360 White」がピッタリ収められており、ネジもネジ穴分固定ができている。なおパネルの固定はワンタッチ着脱に対応するジュラコンキャッチ式を採用。加えてフロント、両サイドパネルもツールフリー仕様だった。
最後はオマケ的な存在だが、右側面下にはCPUとGPU温度が上下に表示できるギミックを備えている。こちらは製品版に付くか否かはフィードバック次第。必要だと思う人は、どんどん声を挙げていこう。
エルミタ取材班をアテンドしてくれたのは、Sales Account ManagerのJenny Linさん |
外形寸法は幅216mm、奥行き448mm、高さ375mm。冷却ファンおよびラジエーターは、フロント120mmx1、トップ120mmx3/140mmx2(120/140/240/280/360mmサイズ)、ボトム120mmx3/140mmx2(120/240/360mmサイズ)、リア120mmx1(120mmサイズ)。ストレージは2.5インチx3。各有効スペースは、CPUクーラーが高さ175mmまで、グラフィックスカードが長さ325~400mmまで、電源ユニットが奥行き140~180mmまで。
文: 編集部 松枝 清顕/取材:池西 樹
Antec: https://www.antec.com/