2023.06.02 10:38 更新
2023.06.02 取材
電源、水冷・空冷CPUクーラー、ファン、PCケースなど幅広くPC関連製品を開発、販売しているENERMAX(本社:台湾)は、COMPUTEX 2023の台北南港展覧館1館のGround Floorにて、2023年6月以降に販売する新製品群を多数展示した。今回はそのなかから日本市場でも注目されそうな製品を選りすぐってご紹介していこう。
まずは水冷CPUクーラー「LIQMAXFLO」。この製品には今回ENERMAXとしては初めて420mmサイズがラインナップされる。
420mm、360mm、240mm型共通の特徴がラジエーターの厚み。ラジエーターを38mmまで厚くすることで、冷却液を多く封入可能となり、面積が広いぶん放熱効果も向上。さらに水冷のヘッド部分に60mm VRMファンを追加することで、従来の水冷CPUクーラーよりも20℃温度を下げることに成功。また冷却の範囲をCPUだけでなく、マザーボードの電力供給モジュールにまで広げているという。
なお今回の試作機には存在しないが、製品版では冷却液を補充する注入口を追加。利用していく過程で冷却液が減っていっても、ユーザーが自分で追加可能だ。
水冷CPUクーラー「LIQMAXFLO」 7月発売予定、420mm:151.99ドル、360mm:139.99ドル、240mm:109.99ドル |
水冷のヘッド部分にファンを追加。ロゴの付いたカバーは磁石でくっついており、好きな角度に変更可能 |
38mm厚のラジエーターを採用 |
水冷CPUクーラー「LIOMAXFLO LCD」は発売時期、価格は未定の参考出品だ。ご覧のとおり水冷ヘッドに480×480ドットの広角LCDディスプレイを搭載。カスタム画像、アニメーションGIF、CPUの温度や使用率などのリアルタイムシステム情報を表示できる。ユニークなのが天気予報表示機能。位置情報に基づいた天気予報を表示可能だ。
水冷CPUクーラー「LIOMAXFLO LCD」 発売時期、価格は未定 |
水冷ヘッドに480×480ドットのLCDディスプレイを用意。システム情報、天気予報のほかカスタム画像、アニメGIFを表示できる。カスタマイズが楽しそうだ |
「MarbleShell Apex Marble MS32」はサーバーやワークステーション向けのPCケース。メンテナンスしやすいように、フロントパネル、サイドパネルがネジなしで取り外し可能となっている。フロントには420m、トップには360mmのラジエーターを搭載可能。また最大8つのファンを取り付けられる。2.5インチSSD取り付けブラケットはツールフリー仕様で、最大8つの2.5インチSSDを内蔵可能だ。
位置、アングルを変更できるグラフィックボード用のファンも用意されており、効率的に冷却できそうだ。ハイパフォーマンスマシンを組み立てる個人ユーザーにも魅力的なPCケースと言える。
PCケース「MarbleShell Apex Marble MS32」 9月発売予定、109.99ドル |
右側面内部に開閉可能なカバーを内蔵。ケーブル類を隠せる | 位置、角度を調整可能なファンにより発熱量の高いハイパフォーマンスなグラフィックボードを至近距離から冷却可能だ |
重量の重いグラフィックボードを下から支えるステーが用意されている |
「ENERMAX Cable Master 20」は標準でフロントディスプレイを装備したPCケース。ディスプレイにはCPU、GPUのシステム情報や時間を表示できる。本製品最大の特徴は裏配線マザーボードに対応していること。ASUSの「TUF GAMING B760M-BTF WIFI D4」などの裏配線マザーボードを装着できるように、背面からケーブルを取り付けられる設計となっており、究極の裏面配線を実現可能だ。
PCケース「ENERMAX Cable Master 20」 9月発売予定、黒:89.99ドル、白:94.99ドル |
GPU、GPUの温度、時刻などを表示するディスプレイを標準装備 |
裏配線マザーボードに裏からケーブルを挿せるように各所に穴が開けられている。また、背面スペースが従来より30mm広く確保されている。ケースのサイズは446×238×420mm。ITX、Micro ATXタイプのマザーボードに対応する |
「PLATIMAX GEMINI」はENERMAXが今回イチ押しの1,200W電源。業界で初めてATX 3.0とATX12VOに対応した製品だ。
ATX12VOはエネルギー効率を高めることを目的にした最新電源規格であり、今後対応製品が増えていくことが予想されている。マザーボードをATX12VOに買い替えた際にも、本製品であれば電源をリプレースする必要はない。「BEST OF COMPUTEX’23」も獲得しており、日本市場でも今後人気を集めそうな1台だ。
1,200W電源「PLATIMAX GEMINI」 11月発売予定、299ドル |
「BEST OF COMPUTEX’23」を獲得。ATX 3.0とATX12VOに対応した世界初の電源と謳われている |
サイズは150×150×86mm。日本製コンデンサーが100%使用されており、80PLUS Platinumを取得。下中央にATX12VOの端子が設けられている。また、600WのネイティブPCle 5.0ケーブルが付属する |
今回のENERMAXの製品は、ハイパフォーマンスなCPUやグラフィックボード、新規格のマザーボードなどを利用するために有効、必須なものが取り揃えられている。新しい自作PCを組む際や、現行マシンをアップグレードするときには、予算のなかに計上することをお忘れなく!
ブースには趣向を凝らしたMOD自作PCが展示されていた |
文: 撮影・ジャイアン鈴木
ENERMAX: https://www.enermax.com/