2023.07.10 12:42 更新
2023.07.10 取材
カシオの「MX-10」をMSX2にバージョンアップできる改造キット「MX-10 MSX2 VersionUp KIT」の取り扱いが家電のケンちゃんで始まっている。技術系サークル「にがHP」による同人ハードウェアで、販売価格は税込13,200円。ただし製品は入荷早々に完売、次回入荷待ちになっている。
カシオの「MX-10」をMSX1からMSX2にバージョンアップできる、マニアックな改造キット。完成させるにはこのキットに加えて電源改修用の部品やVDP、VRAMが必要なほか、さらに手持ちのMSX2本体から抽出したシステムROMデータとROMライターが要求される。
ちなみにサークルによると「キットのほかに必要な物が多数あるため、トータルコストでは中古のMSX2を買った方が安上がり」になることから、「MX-10に並々ならぬ思い入れがある、量産型MSX史上最小マシンのMSX2化にロマンを感じる方以外は手を出さない方が賢明」とのこと。
また、MSX2化した「MX-10」は通常のMSX2に対し、RTCのバックアップメモリ使用不可、カセットテープによるセーブ・ロード機能が使用不可、テレビのアンテナ端子に接続不可、純正拡張ボックス「KB-10」の右側スロット使用不可など、複数の機能制限が発生する点に注意が必要だ。
なおキットの対応機種は「MX-10」のみで、「MX-101は外観が似ているものの、メインボードが異なるため非対応」(サークル)とのこと。その他のMSX1の場合でも「本体側の割り込み信号やクロック信号の引き回し、スロット構成が機種によって異なるため、物理的に実装できても正しく動作しないと思われる」という。
また、改造にはそれなりの電子工作スキルが必要で、「片面基板のDIPパッケージのICを無傷で外せる程度」の技術が目安とされる。作業には一般的なはんだ付け用工具を用意する必要があり、特にはんだ吸い取り器は必須。
文: 編集部 絵踏 一
家電のケンちゃん: https://www.gdm.or.jp/shop/2017/0101/193926