2023.08.02 08:00 更新
2023.08.02 取材
天文学の知識がなくても天体観測を楽しめる探査ステーション「Satellina」や「Vespera」が話題を呼んだVaonisから、約3年ぶりとなる新製品「Hestia」が登場。Kickstarterにてプロジェクトが開始されています。
今回の新製品は普段使っているスマートフォンをスマート望遠鏡にできるというもの。使い方は三脚に「Hestia」を取り付け、スマートフォンのメインカメラを「Hestia」の接眼レンズに合わせて装着して観測したい天体に向けるだけ。専用アプリには、星の位置をガイドする機能も搭載されているため、天文学の知識がなくても簡単に目的の星を見つけることができます。
また本体には30mmの対物レンズと、光を集めてスマートフォンのカメラに直接集束するプリズムを備えた特許取得の6レンズ光学設計を採用しています。これによりスマートフォン単体に比べて解像度は5倍、望遠は最大25倍まで対応し、月を撮影すればクレーターまで鮮明に映し出すことができます。また肉眼ではほとんど見ることができない天体の観察もできるということです。
さらにソーラーフィルターを使えば、一般的な望遠鏡では難しい太陽を観察することも可能。黒点の増減に伴うフレア、磁場の関係や、地球への影響を解析するといった使い方もできるわけです。
本体サイズは170×240×55mm、重量は500gと小型軽量なため、持ち運びも苦になりません。そして撮影にスマートフォンを使うため、「Hestia」自体に電源が必要なく、駆動部もないため、故障しにくいのも大きな特徴です。
そんな「Hestia」ですが、現在最も安価な「Solo Pack」は189ドル、三脚やソーラーフィルター、ハードケースがセットになった「Eclipse Pack」でも299ドルからとかなりお手頃。天体観測に興味はあったけど、大仰なのはちょっとという人にはまさにうってつけの製品と言えるでしょう。
なお製品の出荷は来年4月の北米大陸の横断皆既日食に間に合うよう、2023年12月より順次開始される予定です。
文: 編集部 池西 樹
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/