2023.08.02 00:00 更新
2023.08.01 取材
インテル株式会社(本社:東京都千代田区)は2023年8月1日、同社の今後のブランド戦略とマーケティング活動における記者会見を開催した。
記者会見の冒頭登壇した代表取締役社長の鈴木国正氏によれば、これまでIntelでは半導体製品を開発し、“こんなにいい製品がありますがいかがですか”という製品ありきの「プロダクト・ベース」のアプローチを取っていた。
代表取締役社長の鈴木国正氏 |
しかし、今後は顧客側に寄り添い、製品が「課題解決にどう役立つか」や「顧客が何を必要としているのか」を判断し、必要としているサービスを提供する「Value Based Selling」のアプローチへと変更していく。
また同社では2019年より、データの分析や活用によって企業活動の刷新や成長を促す「データ・セントリック・トランスフォーメーション」(DcX)の活動を推進しているが、その理由として最新の技術をいち早く取り入れられる「高い技術力」に加えて、「中立的な立場」であることを強調していた。これによりインテルでは多種多様な業界や企業間とを連携する“ハブ”としての役割を果たすことができるのだという。
先日開催されたIntel Connectionの様子。これだけ多くの企業や著名人を呼ぶことができたのものインテルが「中立的な立場」であることが大きな要因とのこと |
続いてマーケティング本部長上野晶子氏が登壇し、2023年下期のマーケティングのテーマ「始まりはインテルと」(it starts with Intel)を発表した。これは「Value Based Selling」をベースに、ユーザーや企業が求めているものを、同社の半導体だけでなく、それを組み込んで製品化するメーカーや、販売店などとも協力して総合的に提供していくというもの。
マーケティング本部長上野晶子氏 |
具体的には、個人向けのマーケティングでは、「誰かが使っているから」や「誰かに進められたから」という理由でPCを選択するのではなく、ユーザーがやりたいことを実現できるPCを選んで購入できるようEvo PCを一覧で確認し、選択できるWebサイトを開設。さらに最適なデスクトップPCをカスタムできるようにするマイスター研修制度(初級/中級/上級)のような取り組みも今後実施される予定。
また既報の通り「Meteor Lake」世代からクライアント向けのCPUは「Core Ultra」と「Core」の2つのブランドに分けられることになるが、これもユーザーが必要なCPUを区別しやすくするための方策のひとつ。「Core Ultra」はその時点で最新世代の製品になるため、パフォーマンスを重視する場合はこちらを選択すればいい。
さらにPCを使う目的の一つであるゲームを訴求するために、今年の東京ゲームショウでは、例年以上に多くのメーカーと協力して出展する予定。またクリエイターをサポートする「Intel Blue Carpet Club」への協力も引き続き進めていく。
そしてビジネス向けのアプローチとしては、現在のIT部門で問題になっているリモートワークへの対応や、使用する端末の増加による管理業務の増大、大量のデータによるサーバー運営コストの増加を解決するため、管理が簡単で一元化もできるvProプラットフォームをさらに訴求していく。
実際にはVTuberなどのインフルエンサーと連携したプロモーションを実施して認知度を高めるとともに、導入や運用のハードルを下げるため、相談などができるコミュニティの形成なども行われている。
さらにサーバー側の方策として、ワークロードごとに最適なアクセラレータを提供するとともに、分かりにくかった最新サーバーのメリットを解説する記事や、展示会などを利用して、最新サーバーやソリューションに触れてもらう機会を増やしていくとのこと。
その他、デジタル化に伴う人材不足を解消するため、これまで自治体、政府、企業が個別に行っていた活動を「マッチメイキングプラットフォーム」などにより結合することで、デジタルな人材の育成・創出をする活動も進めていく。
文: 編集部 池西 樹
インテル株式会社: https://www.intel.co.jp/