2023.09.12 21:37 更新
2023.09.12 取材
日本AMDは2023年9月12日、メディア向け説明会を開催。AIエンジンを搭載したビジネス向けCPU「Ryzen PRO 7040」シリーズの優位性をアピールした。
製品の解説を担当したのはJustin Galton氏 |
今年6月にアナウンスされた「Ryzen PRO 7040」シリーズは、「Zen 4」アーキテクチャのCPUコアと、RDNA 3アーキテクチャのGPUコアを採用するビジネス向けCPU。最新アーキテクチャの組み合わせにより、「Ryzen PRO 6000」シリーズからマルチタスク性能は最高23%、グラフィック性能は最高19%向上。さらに第13世代のIntel Coreプロセッサと比較してもシングルスレッド、マルチスレッドとも高いパフォーマンスを実現している。
「Ryzen PRO 7040」では、パフォーマンスだけでなくセキュリティ機能や管理機能も充実 |
また現行のCPUでは最先端となる4nmプロセスで製造され、電力効率に優れているのも特徴。より少ないバッテリ容量で長時間の連続駆動が可能になることから、モバイル用途の薄型・軽量ノートPCでは特に力を発揮する。
さらにビジネス向けx86プロセッサでは史上初となるAIエンジンを統合し、Microsoft Teamsによる背景のぼかしや、オートフレーミング、視線補正などの機能を利用可能。また今後はCloud AIとRyzen AI(Client AI)との連携によるセキュリティの向上や、コンピューティング処理の高速化、AI対応アプリケーション開発などを、Microsoftをはじめとしたパートナーと共に実現していくとしている。
そしてイベント冒頭では、今年6月に日本AMDの代表取締役社長に就任したJon Robottom氏が登壇。2022年の売上は前年比44%増の236億ドルで過去最高を達成。加えて、スパコン性能ランキング「TOP500」に94台がランクインしたほか、時価総額が2年前の536.5億ドルから1,760.6億ドルに、社員数は約2倍に、Ryzen PROシリーズを採用する法人向け製品数も1.6倍以上も増えるなど好調であることを発表した。
また今後の課題として、AMDの技術はPCだけでなくクラウドやエンタープライズ、5Gインフラ、車載システム、コンシューマゲーム機などさまざまな分野で採用されているがあまり知られていない事に触れ、今後は認知度を上げる活動を積極的に進めていきたいと語った。
文: 編集部 池西 樹
日本AMD: https://www.amd.com/ja.html