2023.09.19 19:33 更新
2023.09.19 取材
株式会社サードウェーブ(本社:東京都千代田区)は2023年9月19日、秋葉原にてメディア向けに「クライアントビジネス方針発表会」を開催。今後の戦略や製品ブランドの再構築について発表を行った。
今回発表を行った、株式会社サードウェーブ取締役兼上席執行役員副社長の井田晶也氏 |
テレワーク需要などが落ち着きPC業界が苦戦する中で、前年比でフラットだったというサードウェーブの業績。今後の経営計画や注力分野についても語られた |
最も時間をかけて語られたのは、サードウェーブがドスパラなどを通じて展開しているブランドの再構築について。これまでターゲットなどに応じて複数のブランドを展開してきたところ、これらを統廃合して今後は「GALLERIA」「raytrek」「THIRDWAVE」の3ブランドに集約する。
それぞれのブランドが担ってきた製品特徴も拡張、または再構築されることで、ユーザーがよりニーズに合った製品にアプローチしやすくなるという狙いがある。
まずゲーミングブランドとして展開されてきた「GALLERIA」は、ゲーミングだけでなく個人向けのクリエイター・デザイナー向け製品も内包。コンシューマ向けのハイエンドPC製品が「GALLERIA」に集約されることになる。
これまでのハードコアなゲーマーに向けた製品だけでなく、新たにPCゲームを始める若年層など、より幅広いゲームプレイヤー層へ訴求。さらにコンシューマレベルのクリエイターに向けた製品も、今後は「GALLERIA」ブランドから発売されることになる。
ちなみにゲーミング・クリエイター向けの製品は、それぞれのターゲットに向けたキャラクターの差別化を考えているとのこと。コンセプトの異なる新筐体の採用を含め、展開方法は現在検討中のようだ。
そして従来クリエイター向けPCのブランドだった「raytrek」は、プロフェッショナルなクリエイター・デザイナー向けの製品を扱うブランドに刷新される。法人やプロのクリエイターが対象で、映像制作やAI、CADなど実際に業務で使用されるPCを展開する。
また、リブランディングに伴いワークステーション製品も「raytrek」に統合。信頼性を兼ね備えた、幅広いユースに応えるラインナップを提供していくという。
会場に持ち込まれていた、現在開発中という新生「raytrek」のワークステーション。内部にはNoctua製クーラーを装着した第4世代Intel XeonスケーラブルとNVIDIA RTX 6000 Adaがそれぞれデュアル構成で組み込まれていた |
これまで法人向けなどに展開されてきた「THIRDWAVE」は、ビジネス・コンシューマ双方の一般ユーザーを対象としたブランドに刷新。法人のプロフェッショナル向けだった「THIRDWAVE Pro」などは「raytrek」に統合され、今後「THIRDWAVE」は特別な用途に使用される以外の“一般的なスペックのPC”を扱うブランドに生まれ変わる。
ビジネス向けノートPCをはじめ、若年層や高齢層、これからPCを始めるユーザーを含めた幅広い展開を想定。豊富なカスタマイズや国内生産ゆえの短納期など、サードウェーブならではの強みを活かした柔軟なサービスを提供していくという。
直近でサードウェーブが計画しているイベントについて。今週開幕する東京ゲームショウでは「GALLERIA BASE」を展開するほか、法人向けのAIセミナーやコンシューマ向けのAIフェスティバル開催が予定されている |
なお新しいブランドルールが適用された製品群は、今後徐々に既存の同クラスの製品を置き換える形で展開予定。その期間は、担当者によると「リブランディングの完了まで、それほどお待たせせずに済むと思う」とのこと。これから続々リリースされるであろう、サードウェーブの新製品に注目したい。
文: 編集部 絵踏 一
株式会社サードウェーブ(ドスパラ): https://www.dospara.co.jp/