2024.02.22 16:00 更新
2024.02.22 取材
株式会社ヤマダデンキ(本社:群馬県高崎市)が展開するTSUKUMOブランドは2024年2月21日、LIFORK 秋葉原 II(〒101-0021 東京都千代田区外神田3丁目13-2)において、新型PCのお披露目クローズドイベント「ツクモゲーミングPC 新型G-GEAR製品発表会」を開催した。
1947年に通信機器の販売店として秋葉原に誕生した“ツクモ”は、現在日本で最も歴史のあるPCパーツショップとして全国に展開。2008年8月にはBTOブランド“G-GEAR”を立ち上げ「全ての人々に卓越したPC環境を持つ喜びを。」を掲げ、今年で15年目に突入する。
進行と概要解説を担当した株式会社ヤマダホールディングス セグメント事業統括本部 SPA第三商品部部長 ツクモBTOパソコン責任者 小川 健次氏 | 製品解説を担当した株式会社ヤマダホールディングス セグメント事業統括本部 SPA第三商品部 ツクモBTOパソコン開発責任者 檀特 教遵氏 |
G-GEARシリーズにはさまざまなモデルがラインナップされているが、主力の「G-GEARミドルタワー」は現行の筐体が採用されてから10年が経過。オールインワン型水冷ユニットの普及やグラフィクスカードの大型化など、近年のPCパーツ高性能化に伴う変化に対応すべく、新型ミドルタワーPCケースが誕生した。
外形寸法は幅230mm、奥行き445mm、高さ460mmで、対応マザーボードはE-ATX(SSI-EEB)、ATX、MicroATX、Mini-ITX |
まず(1)デザイン面に注目すると、フロントパネルは樹脂フレーム、メッシュパネル、金属製フレームで構成。G-GEARのロゴ同様のダイヤモンド模様を採用し、ボトム側にはエンブレムをワンポイントにあしらった。またフレーム4隅のカットは、ロゴデザインとの統一感を演出。ゲーミングPCのベースとして主張しすぎない、シンプルなデザインに仕上げられている。
電源/アクセスランプには落ち着いた印象のホワイトLEDを採用する |
構成パーツの高発熱化に最適化された(2)冷却性能では、これまでのPCパーツやPC本体を販売してきた経験を反映。前面より多くの外気を直線的に取り込もうという考えから、ドライブベイを全て排除し、幅155mm、高さ395mのフロントパネル全体を「大型のエアインテーク構造」とした。
ちなみに、冷却ファンは標準でフロント中央に120mm×1、リアに120mm×1を搭載するが、オプション扱いながら自作市場で絶大な人気を誇るNoctua製の120mmファンのカスタマイズにも対応している。
(3)拡張性については、E-ATX(SSI-EEB)サイズが搭載できることから、将来的にはRyzen ThreadripperやXeonなどハイエンドPCの投入も検討されている。なお空冷CPUクーラーは高さ170mmまで、オールインワン型水冷ユニットはトップ240mmまたは280mm、フロント360mmサイズまでのラジエーターが搭載できる。
会場内に展示されていたASRock製のAMD WRX90チップセットを採用するワークステーション向けマザーボード「WRX90 WS EVO」搭載モデル |
なお、BTO PCならではの対策として用意されているのが、大型グラフィクスカードをしっかりと支えるGPUサポートホルダーの存在。一般的なホルダーと比べて上下左右をしっかりと固定しているため、非常に安定感のある作りとなっていた。さらにユニークなところでは、裏配線スペースに小さなブロッククッションを搭載。これらにより、輸送時の脱落や振動による事故を極力防止することが可能だという。
頑丈なスチール製のGPUサポートホルダー。実際に触っても全くグラつくことはない |
固めの吸音スポンジのような小さなブロッククッション。輸送時の振動を軽減するほか、PC駆動時のわずかな振動も吸収する |
最後のこだわりポイントは(4)使いやすさ。フロントI/Oは床置き、デスク置きにかかわらず手が届きやすいトップフロント寄りに配置。USB Type-Cも備えるほか、端子同士のピッチも確保されているため幅広のUSBメモリも差しやすくなっている。また、NVMe M.2 SSDが主流ながら、ストレージは3.5インチベイ×2、2.5インチベイ×2を裏配線側のスペースに確保。データ用ドライブの追加オーダーにも対応する。
そのほか、フロント、トップ、ボトムには防塵フィルターを装備。このうちフロントのフィルターは2重構造とすることで防塵効果をアップ。フロント、トップのフィルターにはロゴ入りタグを備えることで取り外しが容易になっている。
新型ミドルタワーPCケースを採用するG-GEARのラインナップは、NVIDIAの最新GPU GeForce RTX 4080 SUPERとRyzen 9 7950X3Dを搭載する最上位モデル「GE9A-M242/XBH」(基本構成売価税込474,800円)を筆頭に、Intel Coreシリーズ採用が3モデル、AMD Ryzenシリーズ採用が5モデルが用意される。ポイントはマザーボードにASUS製を採用する点で、特にAMD RyzenシリーズではAMD X670チップセット採用のハイエンドモデル「ProArt X670E-CREATOR WIFI」を使用。このあたりは他社のBTOには見られない特徴だろう。
なお、今後はASRock製のIntel B760チップセット採用マザーボード「B760 Pro RS」を採用した「GE7J-J242/BH」(2024年3月以降発売予定)など、より手頃な価格で購入できるモデルの投入も予定されている。
Intel Core i7と「B760 Pro RS」を採用した「GE7J-J242/BH」。グラフィクスカードもミドルレンジモデルが採用される予定 |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 Tawashi
株式会社ヤマダデンキ(TSUKUMOブランド): https://shop.tsukumo.co.jp/