2024.03.05 08:00 更新
2024.03.05 取材
電子工作キットは工作を楽しむという側面があるので、組み上げたことに満足してその後はあまり使わない・・・ということも少なくありません。何を隠そう自分もそういうクチなんですが、この「MONYACA9 (モニャカナイン)黒基板」は全然違いました。組んだ後も毎日バリバリ使っていて、超満足しているステキなキットなんです。
真空管を使ったバランス駆動のポータブルアンプを自作できるキットで、「じんそん」さんという方が手がけた、いわゆる同人ハードウェア。発売時には即完売、その後も入荷と売り切れを繰り返した人気アイテムです。頭を使った立体的な構造の設計になっていて、こういう三次元的な面白い発想は同氏ならではですね。
音の方も、一般的なメーカー製の真空管アンプはやや制動が強めな印象があるところ、そうした要素が少ない面白い音が楽しめるという印象。低中域がいい感じに“もっこり”出るというか、普通のアンプとは違った分厚い音が堪りません。
ちなみに真空管を変えると音も変わるわけですが、真空管を付け替えるのが面倒という理由から、複数作って使い分けている人もいるそうですよ。
そして組み上げると、“モナカサイズ”のコンパクトなポタアンが完成。ただし普通のアンプ2倍くらいの作業量がありますから、工作の難易度はかなり高めだと思います。とは言え(ちょっと言語化が難しいですが)ぜひ試してほしい面白い音が楽しめるので、色んなアンプを試して普通の音に飽きてしまったという人には、大いにオススメしたいですね。
なお、標準では入力もバランスなわけですが、Bluetooth化できる専用モジュール「Monyaca9専用Bluetooth基板」(3,300円)も販売中。自分もこの組み合わせで使っていまして、Spotifyとかのサブスクをゆるく楽しみたい向きにピッタリです。
文: 編集部 絵踏 一
千石電商 秋葉原本店: https://www.gdm.or.jp/shop/sengoku/