2024.04.13 00:00 更新
2024.04.13 取材
秋葉原の電気街と同じ歴史を刻んできた、秋葉原の古さと新しさが同居する東京ラジオデパートを廻る「東京ラジオデパート探訪」。第4回は、古き良きアキバのジャンク屋を彷彿とさせる3階のジャンクショップ「AKIBAJUNKS」にお邪魔します。
これまでだいぶ古株のお店を巡ってきましたが、店舗フロア最上階の3階にある「AKIBAJUNKS」は、2020年11月オープンの比較的新しいショップ。場所は1階に移転したShigezoneの跡地で、隣接するシオヤ無線電機商会(昨年8月末に閉店)の跡地を合わせて、L字型に広がる店舗を構えています。
もとは卸の仕事をしていた店長さんが、知り合いのジャンク屋が店を畳むタイミングで在庫を引き取ったことが、ショップをオープンさせるキッカケだったとか。店頭にはノートPCやPCパーツ、様々な周辺機器から、PC-98などのレトロPC、カセットテープのようなレトロメディア、ゲーム機やはたまた業務用の機材までと、まさに何でもアリといったジャンク商材が並んでいます。
シオヤ無線電機商会跡地の方は、本格営業は土日。一応ここに欲しい物があれば、平日でも買える |
ちなみに客層は、ベテランのジャンクハンターから小中学生くらいの若年層までと、これまた様々。「最近の若い子はよく調べてるから、私より詳しいくらいですよ(笑)」とは店長さんの談。アキバのジャンク文化は今も脈々と受け継がれているようですね。
なお最も取り扱いの多いノートPCは、第8世代Core i5搭載モデルが1万円以下からと格安。ジャンク品と言いつつ可能な限り動作チェックがされていて、どんな状態かは商品に貼られたシールを見れば分かります。また、明らかに動かなかったり未チェックのものは、部品取り用として1,000円で投げ売りされている場合も。直せるスキルがある人にとっては、掘り出し物も多く見つかりそうです。
さらにいったいどういうルートから流れてくるのか、裏蓋やディスプレイなど一部が欠けた謎形態のノートPCもよく入荷するとか。珍しいところでは、ノートPCの未使用マザーボードも定期的に入荷するそうです。
店長さんに「このお店で過去イチ売れた物は?」と聞いたところ、先ほど触れたノートPCの未使用マザーボードがとにかくよく売れるとのこと。入ってくるのはたいてい月末、入荷するや早々に完売する同店の名物になっています。
具体的には富士通製ノートPCのマザーボードで、現在は第11世代~第13世代Core i5モデルのものが中心。最初に仕入れ始めた頃は第8世代だったそうですが、だいたい市場の1~2世代落ちくらいが流通しているのだとか。
搭載されているCPUはスペックコードで判断、オンボードのメモリ容量もそれなりの知識がないと仕様が分かりません。コネクタ位置やスイッチの形状など、お客さん同士で情報交換したりといった光景もよく見られるようです。
なお、別のノートPCと入れ替えるといった使い方がもっぱらのようですが、中には配線や冷却を工夫して“据え置き化”して使う猛者もいるとか。
そして“謎の売れ筋”を聞いてみると、やはり特殊なものが該当するようで、ロックがかかっていてそのままでは使えないHP製のUSBメモリは隠れた人気アイテム。ロックを解除するソフトが入手できるようで、うまくやればプロ仕様のUSBメモリが格安で手に入るというわけですね。
さらに一束100円で売られている「強力磁石」も。見た目でピンときた人もいるでしょうが、これはHDDをバラした際の残骸の一部です。HDDには強い磁力を帯びた部品が使われているので、それを磁石代わり(?)に使うということなんでしょうか。ともあれ、謎のアイテムとの出会いもジャンク屋巡りの楽しみですよね。
文: 編集部 絵踏 一
AKIBAJUNKS: https://www.gdm.or.jp/shop/akibajunks