2024.05.19 00:00 更新
2024.05.19 取材
決して広くはないお店に、同人ハードやレトロゲームなどがあふれるカオス空間。ここ家電のケンちゃんにて、“家電のHRDちゃん”こと店長の原田さんにディープなアレコレを語ってもらう「教えて!HRDさん」。今回は、人類には早すぎた(?)かもしれない存在な、赤いVRゲーム機「バーチャルボーイ」の特殊なデモ機について教えてもらうことに。
正直なところ、コレは持っている人自体が少なかったと思うので、そもそもこの違和感に気が付くかどうか。かつて遊んだことがある人なら、ムムッと惹きつけられるであろう「バーチャルボーイ」のデモ機についてちょっと雑談でもしましょうか。
そもそもバーチャルボーイと言えば、いまから30年くらい前に任天堂から発売された、ゴーグル型のディスプレイを覗き込んで遊ぶバーチャルリアリティなゲーム機。立体的な映像のゲームプレイが視野いっぱいに楽しめるという、今で言うVRゲームの走りみたいなもんですな。技術的な都合から赤色LEDを使って映像を投影していたので、“赤い世界”なんて呼ばれていたのを思い出します。
そんなわけで本来は覗き込んで遊ぶものなんですが・・・ここでアレ?外部の画面に出てるじゃないのという話になるわけです。実は1年くらい前にいくつか中古のバーチャルボーイが入荷しまして、その中に外部出力改造済みの個体が混ざっていたんですよ。
主に海外でやっている人がいる“VGA MOD”という改造で、RGB出力に改造するパターンもあるとか。これで“赤い世界”を覗き込まなくても、画面に出して普通のゲーム機として遊べるというわけです。
コンセプト全無視なプレイスタイルではありますが、やっぱり赤い画面をずっと見てるのはツライですからね・・・MODには画面の色を変える機能も搭載されています。まぁ色が変わると見え方も全然変わりますよ。モノクロ画面になると、ちょっと豪華なゲームボーイみたいな感じもして面白いですね(笑)。
ちなみにバーチャルボーイ内のディスプレイは、右目と左目用で独立した構造になっていて、高速でLEDを点滅させつつ動かして立体映像として認識させているらしいです。ただ片側のディスプレイだけ壊れるといったパターンが結構あったので、それもこうしたMODが作られる理由の一つなんでしょう。
なおバーチャルボーイ自体、(実験機的な意味合いもあったらしく)ゲーム機として成功とは言えなかったので、ソフトも全部で20タイトルないくらい。一時期は本体もソフトも捨て値で投げ売られたりしていましたが、いまとなっては貴重な存在になっています。この改造も作業としてはそれほど難しそうではないながら、本体と改造基板を入手する方が大変かもしれませんね。
本体のセールスの話はさておき、こういったチャレンジが後の3DSとかに繋がっていたりするんでしょうか。このデモ機を眺めつつ、そんな感慨にふけるのもアリでしょう。まぁ何と言いますか、アキバに来たら変なモノ見れるよ、という謎のデモ機についての話でした。
文: 編集部 絵踏 一
家電のケンちゃん: https://www.gdm.or.jp/shop/2017/0101/193926