2024.06.08 16:21 更新
2024.06.08 取材
一般的な空冷に比べて冷却効率が高く、静音性にも優れることからデータセンターなどで導入例が増えている液浸冷却。これをクライアントPCで使用したデモがThermaltakeとASRockブースで行われていた。
防水加工を施した水槽風の専用PCケースには、「Noar 3000」と呼ばれる絶縁性に優れる特殊な冷却液で満たされており、各パーツを浸した状態でもショートすることなく動作させることができるというもの。
今回展示されていたデモ機のCPUは56コア/112スレッドのXeon w9-3495X(PBP350W/TBP42W)、マザーボードはASRock「W790 WS」、グラフィックスカードはデュアル構成(ThermaltakeはGeForce RTX 4090×2/ASRockはRadeon RX 7800XT×2)で、ケースの背面には420mmラジエーターを2基搭載する。
ちなみにASRockブースでのデモ機を確認したところ、すべてのコアに負荷が掛かる状態でもCPUの温度は53℃、パッケージ温度も59℃までしか上がらす、冷却性能はかなり優秀だ。
ただし、液浸に使用する冷却液は1リットルで10,000円前後、今回のPCでは約40リットル必要なため、初期投資だけで約400,000円が必要になる。さらにCPUに負荷をかけた状態だと1日に約1リットルも蒸発するため、メンテナンスにもコストが掛かる。今後実用化するには冷却液に掛かるコストをどう抑えるかが課題だろう。
文: 編集部 池西 樹
Thermaltake Technology: https://jp.thermaltake.com/
ASRock Incorporation: https://asrock.com/index.jp.asp
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