2024.06.29 18:00 更新
秋葉原の電気街と同じ歴史を刻んできた、秋葉原の古さと新しさが同居する東京ラジオデパートを廻る「東京ラジオデパート探訪」。第6回は、ラジオデパートの玄関口にお店を構える「小林電機商会」にお邪魔します。
東京ラジオデパートの開店はいまから74年前の1950年のことで、当時はまだ建物も木造2階建てだった頃の話。ここ「小林電機商会」はその時代からずっと営業を続け、移り変わる秋葉原とともに歩んできた電子部品の老舗店です。かつて東京タワーに使われる通信機を手がけたこともあるなど、システムの納入にも豊富な実績アリ。
そんな同店は、この道40年以上になるご店主の小林さんで3代目になるとのこと。玄関口の一等地にある店舗の場所は創業時から変わりません。長年の常連さんも多いお店ですが、どちらかと言えば小売よりも卸がメイン。お客もアマチュアより企業が多いようですね。
そして決して広くはないお店には、多種多様な電子部品がギッシリ。“なんでも揃う店”の謳い文句は伊達ではなく、スイッチやコネクタ、リレー、トランス、ボリューム、ヒューズ、ケーブル、表示灯、端子台、ケースなどなど・・・ありとあらゆる部品が集まる様は、ラジオデパートのお店がギュッと凝縮されたかのようです。
もちろん個々のバリエーションは別階の専門店の方が多いかもしれませんが、カテゴリをほぼ網羅している点が強み。ある程度スタンダードな売れ筋の部品なら、アチコチ探し回らずともここで全部揃ってしまうという寸法です。ちなみに店舗内だけで4~5,000点の在庫があるそうですが、(売り場に置いていないだけで)大型の部品も手広く取り扱っているそうです。
「過去イチ売れた物」について聞いたところ、小林さんいわく特に20年かそれ以前の時期に売れまくっていたというオートメーションパーツ系が印象に残っているとのこと。日本で盛んに工場が作られていた時代、その設備に使われる部品が飛ぶように売れたそうです。看板に「オムロンショップ」とあるように、その代表格がオムロン製のリレーで、数百個のまとめ買いもよくあったとか。
ちなみにいつも質問しているもう一つの“謎の売れ筋”については、「もともと売ろうとして置いてるものばかりだから、不思議な売れ筋というのはないかな」(小林さん)とのこと。それもそうですね。
文: 編集部 絵踏 一
小林電機商会: https://www.kobayasidenki.com/