2024.08.07 00:00 更新
2024.08.07 取材
手のひらサイズの基板に必要な機能を詰め込んだSBC(Single Board Computer)と言えば、Raspberry Piシリーズが有名です。その最新モデルRaspberry Pi 5ではプロセッサのアップグレードやネットワークの強化もあり、全体的に処理性能はかなり向上していますが、それでも最近流行りのAI処理などを行うにはパフォーマンスが不足しています。
そんなSBCのパフォーマンス問題を解消するべく開発されたのが、現在Kickstarterでプロジェクト実施中の「Tachyon」です。開発を手掛けるのはIoT関連製品を得意とするParticleで、プロセッサにはIoT向けのハイエンドSoCであるQualcomm QCM6490を搭載しています。
Qualcomm QCM6490には、2.7GHz×1、2.4GHz×3、1.9GHz×4のオクタコアCPUのほか、Adreno 643 GPUと、12TOPSのAIアクセラレータを備えたQualcomm Hexagon 770 DSPを内蔵しており、AI/MLモデルを実行して4Kビデオストリーム内のオブジェクトを検出したり、オーディオストリーム内のサウンドを分析したりといった高度なAI処理にも対応します。
またネットワーク機能はWi-Fi 6E無線LANに加えて、eSIMによる5G通信をサポートしており、屋内はもちろんのこと、屋外で大容量のデータを扱うような場合にも高速に処理することができるわけです。
インターフェイスはUSB 3.1 Type-C×2を備え、接続したケーブルに応じてデバイスモードとホストモードの自動切替が可能。またそのうち1つはDP Alt Modeをサポートするため、最大4Kまでの高解像度出力をサポートしています。さらにRaspberry Pi 互換の40pinコネクタも用意されているため、すでに豊富にある周辺機器を流用することもできます。
さてそんな「Tachyon」のプロジェクトですが、締め切りは2024年8月30日で、今なら早期割引価格の199ドルから購入が可能。なお配送は2025年1月になる予定です。
文: 編集部 池西 樹
Kickstarter: https://www.kickstarter.com/