2024.09.14 00:00 更新
2024.09.14 取材
決して広くはないお店に、同人ハードやレトロゲームなどがあふれるカオス空間。ここ家電のケンちゃんにて、“家電のHRDちゃん”こと店長の原田さんにディープなアレコレを語ってもらう「教えて!HRDさん」。今回は、ひょんなことから店頭で巡り合った、赤白ファミコンのよく分からないレア品についてのお話。こんな仕様のファミコンがあったなんて初めて見た?
一口に赤白ファミコンと言っても、色んなバージョンやちょっとした仕様違いを合わせると、結構な数のバリエーションがあったりします。この原田もアレコレ見聞きしたり店でいじったりしているので、これまで大抵のものは把握しているわけですよ。でもこの間ジャンクのファミコンをバラしていたら、ちょっとした違和感に気付いたんです。あ、コネクタが黒い!
なんだそんなこと?と思った方はお家のファミコンを覗いて見てください。ファミコンのカートリッジコネクタって青色のものが使われているんですよ。まぁ修理用の互換品とかで黒いコネクタが流通していたりもしますが、基板をバラしてチェックしてみると修理品じゃない。はんだも当時のものなので、出荷時からこの黒いコネクタが使われているわけですな。
とは言え、この手の部材違いのバリエーションはいくつも知られているところ、黒コネクタの物が存在していたなんてまったく聞いたことがない。そんなこともあるんじゃない?という話で片付けられないくらいには、ファミコンは調べ尽くされているわけです。
そもそもよく知る赤白ファミコンと違うバリエーションと言えば、初期はコントローラのボタンが丸型じゃなく角型だったのは有名な話。さらにごく初期のロットにはコントローラケーブルが灰色(普通は黒)になっている物もありました。
ほかにも製造番号の桁溢れだったり、一部が改良された珍しい基板が使われていたり、通常とは違う型番のPPUが載っていたり・・・ちょっと見た目では分からないような仕様違いも含めて、色んなバリエーションがあります。それだけに、この黒コネクタのファミコンを見つけた時はビックリしたというわけですよ。
中に入っていたのは、型番からいわゆる05基板と呼ばれるタイプ |
そこで方方に確認してみたところ、どうもボタンが角型から丸型に切り替わった頃のものっぽいんですね。ちょうど丸型ボタンになってすぐに買ったファミコンが黒コネクタ仕様だったという人は、丸型ボタンのことも知られていない時期にコネクタも黒かったので周りにパチモン扱いされた・・・なんて話でしたけど(笑)。
ともあれコレだけじゃなく、いくつか(出荷時から)黒コネクタ仕様のファミコンを持っている人がいたことは分かりました。色んな時期のファミコンを100台以上持っている人も手持ちになかったらしく、ごく限られた時期に作られたもののようですけどね。
本体裏面は、梨地がないツルツルの状態 |
ただどういう事情で黒いコネクタが使われていたのか、本当にその時期だけ作られていたものなのか、はっきりしたことはまったく分かりません。もしその時期だとしたら、製造が追いつかないくらいファミコンの需要があった頃のこと。部材が足りなくてツインファミコン用のスロットを分けてもらったのでは、なんて説も聞きましたが・・・微妙に製造時期がずれていそうで、これまたよく分かりません。
ちなみに黒コネクタのファミコンですが、通常のジャンク品が2,980円のところ、22,800円にして出したらすぐ売れていきました。これからジャンクのファミコンを見る時は、コネクタをチェックするルーティンも追加しないとですね。なお、黒コネクタのよもやまを知っているという方がいたら、ぜひ原田に教えてください。
文: 編集部 絵踏 一
家電のケンちゃん: https://www.gdm.or.jp/shop/2017/0101/193926