2024.12.10 08:30 更新
2024.12.07 取材
ASRock Incorporation(本社:台湾)は2024年12月7日(土)、東京・秋葉原にて「ASRockファンミーテイング2024 Winter」を開催。会場のLIFORK 秋葉原 II(〒101-0021 東京都千代田区外神田3-13-2)には、多くの熱心なASRockマニアたちが集結した。
イベントはASRockエクストリームプロダクトマーケティング原口氏による進行のもと、2部構成で行われた。第1部(14:00~)ではASRock初の電源ユニットを詳細解説。第2部(16:00~)では、ASRockや自作PCに関する問題が出題されるクイズ大会が実施された。また恒例となっている、ASRock Fan Club会員限定のクローズドセッションもイベント開催前の午前中に行われた。
イベントの主役は、先日アナウンスされたASRock初の電源ユニットだ。ラインナップは、フラッグシップモデルの「Taichi」が2モデル、ゲーマー向け「Phantom Gaming」が5モデル、高耐久と高品質を謳う「Steel Legend」が6モデル、エントリー向け「Challenger」が6モデルの4シリーズ合計19モデルが勢ぞろい。なお、イベントに先立ちメディア向けの内覧会も行われているので、そちらの様子と合わせてレポートしよう。
「マザーボードメーカーという観点から見た最高の電源とは何か?の答えを用意した」(原口氏)と語るように、自作ユーザーにとって馴染みのあるASRock製マザーボードやグラフィックスカードと同じシリーズ分けをすることで、製品の立ち位置が把握しやすくなっている。
電源ユニット選択時の一つの目安となっている80PLUSについては、「Taichi」が最上級の「80PLUS TITANIUM」認証を取得。その他のモデルについては、「80PLUS GOLD」または「80PLUS BRONZE」(Challengerの一部モデル)となっている。原口氏によると、「Phantom GamingやSteel Legendでは、80PLUS GOLDの上限ギリギリの効率で、80PLUS PLATINUM認証を取得できるレベル」とのこと。
台湾本社から駆けつけた電源ユニット部門の開発責任者クリス氏 |
そのため、近年では採用メーカーが増えつつあるより検査基準の厳しいCybenetics ETAでは、「Phantom Gaming」(1,300Wと1,600W)および「Steel Legend」(850Wと1,000W)の一部モデルは「Cybenetics PLATINUM」を取得。静音性能の高さにもこだわった作りで、「Taichi」と「Steel Legend」(850W)は、Cybenetics A+を取得しており「グラフィクスカードや水冷ユニットの冷却ファンのほうがうるさいかもしれない」(原口氏)という。
最近では、5Vを使用するRGBライティングデバイスやキャプチャ関連デバイス、Thunderbolt対応デバイスなどが増えているが、そんなユーザーのための機能として用意されたのが「+5Vブーストモード」。+5V電圧を昇圧し、最適なパフォーマンスを維持。安定した電力供給をすることで、例えばキャプチャ時のコマ落ちやブロックノイズなどを防ぐことができる。なお、「Taichi」と「Phantom Gaming」では専用スイッチを搭載。「Steel Legend」と「Challenger」では標準仕様として内蔵されている。
Challengerの一部モデルを除いて、電源規格はATX 3.1/PCIe 5.1規格に準拠。そのため全てのモデルで12V-2×6ケーブルが採用されている。独自機能として“甘挿し”を防止するデュアルカラーデザインを導入したほか、耐熱温度105℃対応の高品質で耐久性のあるケーブル素材を使用。さらにNTCセンサーを内蔵することで、ケーブルの異常発熱(95℃~100℃)を感知し電源供給をカットオフして、接続パーツを保護する「ケーブル過熱保護」に対応する。
そのほか、最大で235%のトータルパワーエクスカーションに対応するのもポイントだ。今後想定されるハイエンドグラフィックスカードを含め、電力使用の瞬間的な急増に対応できるというもので、「Taichi」で235%、「Phantom Gaming」で220%、「Steel Legend」と「Challenger」(80PLUS GOLDモデル)で200%までサポートする。採用部材にこだわったASRock製電源ユニットならではの機能で、長期間にわたって使用できるとアピールしていた。