2024.12.30 00:00 更新
2024.12.30 取材
さらにこのお店の特徴とくれば、圧倒的なデモ機の多さ!同人ハードを組み込んで改造したレトロハードやレトロゲーム機が実際に動作していたり、レトロゲーム機向けの新作ゲームが実機(改造済みだったりしますが)で流れている無数のデモを眺めることができます。
「パッケージだけだと、何をどうするモノなのか分からないのが多いから」という理由もあるそうですが、お店のあちこちで動いている謎のデモ機の数々には、眺めているだけで時間を忘れられる楽しさがあります。
もっともそれらが集まりすぎているせいで、昔のジャンク屋を思わせるカオス感を生み出しているわけで。慣れない内は、そもそも欲しいものが置いてあるかを探すだけでも一苦労でしょう。「どういうモノを扱っていて、何を売っているのかを通販で”下見”してからの方がいいのかも」とは原田さんの談です。
原田さんに「過去イチ売れた物」を聞いて、真っ先に名前が挙がったのが「BEEP on USB」。昔懐かしPC-98シリーズの“ピポッ”という起動音を再現する系のアイテムで、組み込み不要のUSB接続というお手軽さが話題になりました。
【関連記事】PC-98の“ピポッ”がいつでも聞ける「BEEP on USB ver1.0」発売開始(2017.12.27 18:01 更新)
その人気は凄まじく、2017年の年の瀬に最初に入荷した際は、なんと年末年始を通して1,000個以上を販売したとか。当時の価格(税抜1,371円)から2,000円で支払う人が多かったようで、「ものすごい勢いで500円玉がなくなっていったのを覚えてます」とのこと。
レトロハード向けの同人ハードで多い、MSX向けのキット。こちらはスロット拡張基板の「MSX Simple 4Slot Expander」だ |
そして「この令和の時代によく売れるなぁ」と原田さんが毎度感心しているのが、MSX系の同人ハード。それだけ愛好家が多いということで“謎”はないのかもしれませんが、とにかく毎度予想以上のペースで売り切れてしまうのだとか。
ただしその中には、高音質化キットの「MSX SOUND ENHANCER」のように、部材調達の困難さから終売になってしまうモノも。そうした入手機会の貴重さから、この手のキットが販売されたら「とりあえず買う」ことにしている常連も少なくないようです。何に使うかなんて、買ってから考えればいいというわけですね。
徐々に部材の入手が困難になり、「MSX SOUND ENHANCER」は最終的に“音源IC無し”版や基板のみのバージョンも販売された | こちらはMSXのテスター基板「MSX Diagnosis Cartridge」 |
文: 編集部 絵踏 一
家電のケンちゃん: https://www.gdm.or.jp/shop/2017/0101/193926