2025.02.06 22:40 更新
2025.02.06 取材
インテル株式会社(本社:東京都千代田区)は2025年2月6日、メディア向け製品発表会を開催。CES 2025の基調講演に合わせて発表された最新クライアント製品について解説を行った。
「AI Everywhere」をキーワードに、IoTデバイスからデータセンターまで幅広いプラットフォームのAI化を進めているIntel。クライアント向け製品では、2023年12月に正式発表された「Meteor Lake」こと「Core Ultra 100」を皮切りに、2024年9月にはNPU性能と電力効率を大幅に改善した「Lunar Lake」こと「Core Ultra 200V」を、10月には同社のデスクトップ向けCPUでは初のNPUを搭載した「Arrow Lake-S」こと「Core Ultra 200S」を相次いで投入している。
そして今年1月に開催されたCES 2025の基調講演では、XMXエンジンを搭載したIntel Arc Graphicsを内蔵するハイパフォーマンスノートPC向け「Core Ultra 200H」を追加。GPUのAI性能は最大77TOPSとされ、NPUと合わせて最大99TOPSという優れたAI処理性能を発揮する。
またAI性能だけでなく、CPUやGPUの性能も先代から15%以上と大きく向上している。製品の解説を行ったIA技術本部部長の太田氏によれば、「ビジネス、クリエイター、ゲーマーなど幅広いユーザーニーズに応える事ができる製品に仕上げられている」と自信をのぞかせた。
さらにエンスージアスト向けCPUとして「Core Ultra 200HX」も追加されている。こちらはデスクトップ向けCore Ultra 200Sに匹敵するパフォーマンスを実現しながら省電力駆動が可能。なおディスクリートGPUとの組み合わせを想定しているため、内蔵GPUにXMXエンジンは非搭載だが、最大20レーンのPCI Express 5.0が用意されている。
新GPU「Battlemage」にも軽く言及。またIntelでは今後もディスクリートGPUの開発や投資を積極的に進めていくとのこと |
その他、Core Ultra 200Vのセキュリティ強化版であるvPro対応モデルや、Core Ultra 200Sの省電力モデルも発表されており、クライアント向けAI PCの中核を担うCore Ultra 200シリーズのラインナップが出揃ったことになる。
なおIntelでは2025年末までに、AI対応PCを全世界累計1億台以上出荷する予定。国内でも2024年秋ごろから急速に普及が進んでおり、今年はWindows 10のサポート終了もあることから、昨年以上に買い替えの需要が期待できるだろうとのこと。
そして第14/13世代Intel Coreプロセッサの不安定問題についても言及があった。調査の結果「CPU最小動作電圧変動」(Vmin Shift)に問題があり、2024年10月に提供された0x12B Microcodeで対策は完了している。さらに該当SKUでは保証期間の延長措置が取られるなど、ユーザーに安心して使ってもらえるよう全力でこの問題に取り組んでいるとのこと。
最後に今後のロードマップについても簡単に紹介しておこう。次世代プロセスIntel 18Aは順調に開発が進められており、2025年後半にはクライアント向けCPU「Panther Lake」が、2026年前半にはデータセンター向け「Clearwater Forest」が投入される予定。
文: 編集部 池西 樹
インテル株式会社: https://www.intel.co.jp/