2013.03.04 18:22 更新
2013.03.04 配信
PCなどのプラスチック筐体に適用できる水性塗料が富士通によって初めて開発された。従来ICT機器の筐体に使用されてきた溶剤系塗料に比べ、新たに使用する石油使用料を54%、光化学スモッグの原因物質とされる揮発性有機化合物(VOC)の発生を80%削減できる。
そもそもプラスチック筐体には、100℃以上の乾燥温度を必要とする水性塗料が素材の強度上使用できず、塗膜性能に優れる溶剤系塗料が適用されてきた。今回開発の新塗料は2種類の樹脂からなる「コアシェル構造」を採用。揮発状態を調整することで、プラスチック筐体の形状変化が発生しない65度の低温乾燥を可能にしている。
同社では新開発の水性塗料を2013年発売のUNIXサーバ「SPARC M10(スパーク エムテン)」シリーズの2モデルに適用。「SPARC M10-4」(5,710,000円)と「SPARC M10-4S」(15,170,000円)のフロントパネル塗装に採用されている。一般展開されても面白そうな技術なだけに、今後の展開拡大が期待される。
文: GDM編集部 絵踏 一
富士通株式会社: http://jp.fujitsu.com/
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