2013.09.25 13:18 更新
2013.09.25 配信
半導体の個体差をセキュリティ分野に転用したユニークなNFC対応ICタグ「SMARTICS-V」が凸版印刷からリリースされた。ICチップが持つ僅かな個体差を人間の指紋のように用いた「PUF」(Physical Unclonable Function)技術を世界で初めて搭載、偽造がきわめて難しいながら製造コストを低く抑えられるのが特徴だ。
PUF技術とは、ICチップの製造工程にて発生するシリコンの結晶パターンの個体差をデジタル情報(PUFパラメータ)に変換し、識別する技術。PUFパラメータは発生パターンが予測不可能かつ恒久的に維持されるという特性があり、たとえ回路パターンが複製されてもPUFパラメータの複製は不可能。特別な暗号化技術が不要なため、低コストながら高度な真贋判定や偽造防止に転用できる次世代セキュリティ技術として注目されていた。
なお、同社は製品の偽造・模倣対策を実施する企業に向け、このICタグを利用した真贋判定サービスの提供を今月より本格的に開始する。ICタグはNFCに対応するため、生活者自身がNFC搭載スマートフォンでタグを読み取ることで、データベースに照合して正当性を簡単に証明できる。価格はICタグが1枚30円から、システム利用料が1枚10円からで提供される予定だ。
文: GDM編集部 絵踏 一
凸版印刷株式会社: http://www.toppan.co.jp/