2014.02.04 17:00 更新
2013.01.30 配信
サンフランシスコにて開催された微小電気機械システム(MEMS)のカンファレンス「IEEE MEMS 2014 Conference」にて、昆虫の体液を利用して発電を行うバイオ燃料電池の試作品が発表された。
「Insect BFC」は、昆虫の体液中に含まれるトレハラーゼを酵素でグルコースに分解、さらに酸化還元反応を利用して発電を行う。秋山佳丈助教や森島圭祐准教授らのグループが2011年に開発したもので、開発当初10.5マイクロWだった発電量を、試作品を用いて50マイクロW程度まで強化することに成功した。体液は拡散現象を利用して燃料電池内を循環させる仕組みで、昆虫の種類によっては1年以上動作させることも可能という。
なお、この技術はカメラやセンサーを搭載させた昆虫を原発事故現場などへ侵入させる“生体災害ロボ”の動力として利用することを想定したもの。電気刺激で昆虫を操作する部品などと組み合わせることで、任意の場所へ誘導することもできるという。これまではコイン電池を動力とした研究が進められてきたが、電池自体が大きく重いため実用化が難しいとされてきた。
文: GDM編集部 絵踏 一
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