2014.05.20 13:00 更新
2014.05.20 配信
大規模サーバなどのバックアップやアーカイブ向けに供給される、磁気テープストレージの新技術が富士フィルムからリリース。IBMと共同で行った実走行試験において、塗布型磁気テープでは世界最高の面記録密度85.9Gbpsiでのデータ記録・再生を実証。これにより、従来比約62倍となる非圧縮記録容量154TBのデータカートリッジの開発が可能になった。
今回行われた実走行試験では、独自技術「NANOCUBIC技術」をさらに発展させ、「バリウムフェライト(BaFe)磁性体」の採用により記録密度を飛躍的に向上。現在のPC用磁気テープの主流である「塗布型磁気テープ」を用い、世界最高の面記録密度を実現した。
塗布型磁気テープは他の方式に比べ生産性が高く、大容量データを安価に長期間保管したい向きに最適。従来の塗布設備で生産できるため、実用化にあたって既存設備をそのまま応用できるというメリットもある。
なお、今回の実走行試験では、新開発の磁気テープ技術のほか、IBM開発の高性能記録ヘッド、新サーボコントロール技術、新信号処理技術を組み合わせたカートリッジが使用された。今後量産化を視野に開発が継続される。
文: GDM編集部 絵踏 一
富士フイルム株式会社: http://www.fujifilm.co.jp/