2015.06.18 15:30 更新
2015.06.18 配信
東芝は、理論上盗聴が不可能とされる「量子暗号通信システム」を使い、ゲノム解析データの通信を行う実証試験を8月31日より開始する。
量子暗号通信は、光子の量子力学的な性質を利用することで、盗聴されることなく通信両端で暗号鍵を共有できる通信手段。これまでの通信と違い、光子ごとに1bitのデータが付加されるため、確実に盗聴を検知できるのが特徴。これにより盗聴されていないことが保証された暗号鍵を、次々に更新しながら暗号化でき、通信データの盗聴は理論上不可能とされている。
本試験は、東芝ライフサイエンス解析センター(所在地:仙台市青葉区南吉成)と東北大学 東北メディカル・メガバンク機構(所在地:仙台市青葉区星陵町)までの約7km区間で、2017年8月まで実施。長期間運用における通信速度の安定性や、天候、温度、光ファイバーの状態など環境条件の影響度などが検証される。
なお東芝では今回の実証試験の成果をもとに、機密情報や個人情報などを扱う官公庁や医療機関での利用を想定し、量子暗号通信システムの5年以内の実用化を目指すとしている。
文: GDM編集部 池西 樹
株式会社 東芝: http://www.toshiba.co.jp/