2015.07.07 14:41 更新
2015.07.07 配信
東芝は、マイクロ波磁界を用いることで、多層磁性体の磁化の向きを、層を選択して反転させる「磁化反転技術」を応用した、「多層磁気記録技術」の実証実験に成功したことを発表した。
今回の「多層磁気記録技術」は、異なる強磁性共鳴周波数を持つ磁性体層を積層し、それぞれの磁性共鳴周波数に応じたマイクロ波を用いることで、特定の層のみデータを書き換えることができるというもの。これにより、SSDの3次元NANDフラッシュのように、HDDの記録面の多層化が可能となり、微細化による高密度化の限界を超える10Tbit/inch2の記録密度を理論上実現できるようになる。
なお今後は微細な記録ビットを書き換えるため、局所的なマイクロ波の放出が可能なスピントルク発振素子および磁気ヘッドと、多層記録に最適化した記録媒体の開発を進め、2025年頃を目処に3次元磁気記録媒体の実現を目指すとしている。
文: GDM編集部 池西 樹
株式会社 東芝: http://www.toshiba.co.jp/