2015.11.19 14:41 更新
2015.11.19 配信
富士通研究所は、ビッグデータ処理の高速化を可能にする「ソフトウェア制御型SSD」の開発に成功した。すべてのデータをサーバーのDRAM上に展開する「インメモリデータベース」向けの製品で、従来のSSDに比べ、処理性能を最大3倍まで向上できるとしている。
「インメモリデータベース」では、データサイズがDRAM容量を超える場合、そのまま処理をすることができないため、SSDをメモリの一部として使用するメモリ拡張方式が主流となっている。ただし、サーバー側からはSSDのフラッシュメモリに直接アクセスすることができないため、同一のフラッシュメモリにアクセスが競合し、パフォーマンス低下を引き起こすことがある。
「インメモリデータベース」では、DRAM容量を超えるデータを処理するためSSDを利用するメモリ拡張方式が採用される | 「ソフトウェア制御型SSD」を使用することで、従来SSDから処理性能は約3倍に向上 |
今回開発した「ソフトウェア制御型SSD」では、ソフトウェアから個々のフラッシュメモリに直接アクセスが可能。さらに「インメモリデータベース」からのアクセスを振り分け並列動作させるソフトウェアを開発することで、高速処理を可能にした。
ちなみに今回開発された試作機は、インターフェイスにPCI-Expressを採用。また16個の制御チャネルと256個のフラッシュメモリを搭載することで、最大転送速度5.5GB/secの高速アクセスを実現しているという。なお同社では並列処理の向上や異なる分野への応用などの検討を進め、2017年度中の実用化を目指すとのこと。
文: GDM編集部 池西 樹
株式会社富士通研究所: http://jp.fujitsu.com/group/labs/