2016.03.22 14:35 更新
2016.03.22 配信
日本でも近い将来の実用化が計画されている、8K(7,680×4,320ドット前後)放送サービスの実現に向けたコーデックの新製品がNECからリリース。エンコーダ「VC-8350」とデコーダ「VD-8350」が4月に発売、9月より出荷が開始される。
8K映像は、現行の高精細映像である4K映像との比較で約4倍とデータ量が多い。映像と音声の伝送には、より圧縮率の高いコーデックが要求されることから、新製品では映像符号化方式として「H.265 / HEVC」、音声符号化方式には「MPEG-4 AAC-LC」が採用されている。これにより8K / 60p超高精細映像データを約500分の1までリアルタイムで圧縮処理可能なほか、最大22.2チャンネルの音声圧縮に対応する。
また受信側で使用するデコーダでは、入出力信号の制御や伝送方式に合わせた信号処理(ベースバンド処理)を行う本体と、映像信号の伸張のみを行うサーバーが連結して動作。ユニット単位で処理を分割することにより、高速かつ効率的に高品質映像の再現を可能にしている。
なお2015年7月に総務省で行われた「4K・8Kロードマップに関するフォローアップ会合」においては、2016年にBSによる4K・8K試験放送と2018年の実用放送開始を計画。また、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には、4K・8K放送が一般に普及し、多くの視聴者が4K・8K番組を視聴可能な環境を整備することが目標として示されている。
文: GDM編集部 絵踏 一
日本電気株式会社: http://www.nec.co.jp/