2019.11.07 23:01 更新
2019.11.07 配信
9月20日付けプレスリリースで一報をお届けした、AMDの最新ハイエンドデスクトップ向けCPU、第3世代Ryzen Threadripperが正式発表。一部スペックが判明したので、早速紹介していこう。
第1弾モデルとして今回発表されたのは、24コア/48スレッドに対応する「Ryzen Threadripper 3960X」と、32コア/64スレッドに対応する「Ryzen Threadripper 3970X」の2モデル。いずれもゲーマー向け「X」シリーズに属する製品で、今後はさらにコア数を増やしたクリエイター向けも登場すると予想される。
対抗となるIntel Core i9-9980XEとの性能比較。CINEBENCH R20では最大90%も高速になるとしている |
いずれもコアアーキテクチャは、第3世代Ryzenシリーズと同じ「Zen 2」で、帯域幅を2倍に拡張したPCI-Express4.0に対応。なおソケットは従来のSocket TR4からSocket sTRX4に、チップセットもAMD X399からAMD TRX40へと変更され、残念ながら従来のRyzen Threadripperシリーズとの互換性はなくなっているようだ。
最新の「TRX40」プラットフォームを採用。PCI-Express4.0は88レーンを備え、そのうち72レーンが利用できる |
現在判明しているスペックは、「Ryzen Threadripper 3960X」がコアベースクロック3.80GHz、ブーストクロック4.50GHz、キャッシュ140MB、「Ryzen Threadripper 3970X」がコアベースクロック3.70GHz、ブーストクロック4.50GHz、キャッシュ144MB。メモリはいずれもクアッドチャネルのDDR4-3200で、PCI-Express4.0はプラットフォーム全体で88レーン、TDPは280W。なお北米市場では11月25日より販売が開始される予定だ。
そして発売が延期されていた第3世代Ryzenシリーズの最上位「Ryzen 9 3950X」についても、北米市場では11月25日より販売開始。なお国内での発売日や価格については、現時点でアナウンスがないものの、近日中に発表があると思われる。
メインストリーム向けでは初の16コア/32スレッドに対応するRyzen 9 3950X。対抗となるのはハイエンドデスクトップ向けのCore i9-9920Xで、CPUの冷却には280mm以上の水冷ユニットが推奨されている |
メインストリーム向けモデルでは初めて16コア/32スレッド対応したCPUで、コアベースクロックは3.50GHz、ブーストクロックは4.70GHz、キャッシュは72MB、TDPは105W。なお冷却には280mm以上の水冷ユニット(別売り)が推奨されている。
専用ユーティリティ「Ryzen Master」には、小型PC向けに消費電力を抑えた「ECO Mode」が用意されている |
ただしRyzen Masterに追加された「ECO Mode」を使えばTDPを65Wまで落とすことが可能。これにより、消費電力を44%低減できる一方で、性能は80%弱を維持でき、小型PCでも16コア/32スレッドの強力な処理性能の恩恵を受けることができるという。
またエントリー向けAthlonシリーズの新モデルとして「Athlon 3000G」が正式発表。こちらは11月19日より販売が開始され、北米市場での価格は49ドル。
Athlon 200GEシリーズでは無効化されていたオーバークロックに対応するのが最大の特徴だ |
「Athlon 200GE」の後継に当たる製品で、コア数は2コア/4スレッド、動作クロックは3.50GHz(Athlon 200GEから+300MHz)、グラフィックスコアはRadeon Vega 3(Athlon 200GEから+100MHz)で、TDPは35W。なおこの価格帯の製品では珍しく、オーバークロックにも対応する。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
AMD: http://www.amd.com/