2020.02.07 10:28 更新
2020.02.06 配信
昭和電工は、HDDの次世代記録技術「熱アシスト磁気記録」(HAMR)に対応したHDメディアの製造技術を開発したことを発表した。
近年、クラウドサービスの普及や動画コンテンツ、画像共有サイトなどの拡大によって、世界のデータ生成量は年率40%以上の増加が見込まれている。そのためデータセンターでは、より大容量のHDDが求められているが、従来の磁気記録方式ではデータ記録密度の向上スピードが鈍化し、この要求に応えることが難しくなっている。
そこで新たな記録方式として登場したのが、記録時に磁性膜を局所的に過熱することで記録密度を高める「HAMR」だ。「HAMR」を利用することで、HDメディアの記録密度はこれまでの約1.14Tb/in2から、将来的に5~6Tb/in2まで高める事ができると想定。同じディスク枚数なら、3.5インチHDDで70~80TBの大容量化が可能になると言われている。
今回発表されたHDメディアは、磁性材料に強力な磁性を持ち、耐食性にも優れる「Fe-Pt系磁性合金薄膜」を採用。さらに磁気記録層の層構成、メディア製造時の温度制御等に独自の工夫を加えることで、現在の最先端HDメディアの数倍の高い保磁力と低ノイズを実現。電磁変換特性・耐久性ともに業界最高レベルの品質に達している。
なお昭和電工では今後、本格的な供給へ準備を進めていくとともに、「HAMR」「MAMR」などの次世代記録技術に対応した業界最高クラスの製品をいち早く市場に投入し、HDDの高容量化に貢献していくとしている。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
昭和電工株式会社: http://www.sdk.co.jp/