2020.04.06 10:38 更新
2020.04.02 配信
ASUS ROGシリーズは、第10世代Intel Coreプロセッサを搭載したゲーミングノートPCのサーマルコンパウンドに、Thermal Grizzly製液体金属「Conductonaut」を採用することを発表した。
液体金属は、一般的なサーマルグリスに比べて熱伝導率が高いことから、より効率的にCPUの熱をヒートシンクへと移動することが可能。ゲーミングノートPCを使った社内テストでは、モデルによっては10~20℃も温度が低下。これによりファンノイズの低減や、CPUの自動オーバークロック機能によるマージンを引き上げる効果が期待できる。
一方で、液体金属は腐食性が高く、製造工程で使用する機械や、ノートPCの部材で使用できる素材が限られること。さらにサーマルグリスと違い、流動性が高く、これまで使用していた機械では、適量を塗布することができないという欠点があった。
30種類以上の異なるブラシで実験を行い、最終的にシリコン製の独自形状ブラシを採用 |
そこで、ASUSでは、まずシリコンで作成された独自ブラシでCPU全体に液体金属を塗布。その後、ステンレスで作られた独自シリンジで、2箇所に追加抽出することで、冷却効率が最適になる液体金属を塗布することができるようになったという。
第1段階で塗布した液体金属との表面張力によって、第2段階で抽出された液体金属は流れ出ることなく、圧着によって効果的にCPU全体に広がるという |
なお「Conductonaut」を使用したノートPCは、グローバル市場向けには2020年第2四半期より出荷開始。またAMD製プロセッサを搭載したノートPCでも、液体金属による冷却を可能にするため、プロセッサ上にあるコンデンサなどをショートから保護する断線技術を模索しているとのこと。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
ASUSTeK Computer Inc.: http://www.asus.com/