2020.05.19 19:27 更新
2020.05.19 配信
富士通より、長く愛好家に親しまれてきた「親指シフトキーボード」の販売およびサポートの終了がアナウンス。1980年5月に日本語ワードプロセッサ「OASYS100」に搭載されてから40年という節目で、その歴史に幕を下ろすことになった。
親指シフトキーボードを初採用した「OASYS100」(出典:コンピュータ博物館/情報処理学会) |
親指シフトキーボードは、親指を活用した独特な入力スタイルを特徴とする、富士通が開発したキーボード配列規格。1つのキーに複数の文字が割り当てられ、単独入力および親指で押下する特殊シフトキー(親指シフトキー)との同時入力を組み合わせ、テキストを入力する。濁点入りを含めワンアクションでかな文字を入力できることから、ローマ字入力やJIS配列のかな入力より高速な文字入力が可能だった。
しかしながら「JIS配列キーボードがデファクトスタンダードとなり、親指シフトの機能優位性を十分に訴求できない状況が続いていた」(富士通)という情勢を鑑み、関連製品の販売・サポートの終了が決定。これまでも業務効率化や製品の値上げなどの施策を講じてきたが、40年の節目をもって事業継続を断念することとなった。
なお、現在展開している「FMV-KB613」(PS/2接続)と「FMV-KB613」(USB接続)の親指シフトキーボードは、2021年5月に販売を終了し、2026年6月にサポートを打ち切る。LIFEBOOKの親指シフトモデル「FMCKBD09H」(企業向けノートPCのカスタムオプション)は、2021年3月に販売、2026年4月にサポートをそれぞれ終了する。
そのほか、親指シフト対応の日本語ワープロソフト「OASYS V10.0」と日本語入力ソフト「Japanist 10」は、2021年5月に販売終了、2024年5月以降に順次サポートを終了する。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
富士通株式会社: http://www.fujitsu.com/jp/