2021.03.16 00:00 更新
2021.03.15 配信
昨年3月に開催された「Financial Analyst Day 2020」や、今年1月のオンライン基調講演でアナウンスされていたAMDの第3世代サーバー向けプロセッサこと、「EPYC 7003」シリーズが正式発表された。
コアアーキテクチャは昨年11月に登場したRyzen 5000シリーズと同じ「Zen 3」で、インターフェイスやメモリコントローラ、セキュリティプロセッサなどを備えた「cIOD」に、最大8コアのCPUダイ「CCD」を8基接続するチップレット構成を採用する。
「cIOD」に、最大8基のCPUダイ「CCD」が「Infinity Fabric」経由で接続されているチップレット構成を採用 |
また「CCD」の構成はこれまでの4コアCPU+L3キャッシュ16MBx2から、8コアCPU+L3キャッシュ32MBx1に変更。32MBの大容量L3キャッシュを8つのコア全てで共有できるようになったことで、レイテンシが大幅に軽減されている。さらにロードストアやフロントエンド、分岐予測などの最適化もあり、IPCは実に19%も向上している。
「Zen 2」と「Zen 3」の比較。ロードストアやフロントエンド、分岐予測などが高速化されている |
「CCD」の構成も大きく改良され、特にL3キャッシュアクセス時のレイテンシが低減している |
その他、SpectreやSpectre V4、MeltdownなどのCPUの脆弱性が解消されているほか、新たにメモリの整合性を保証する「SEV-SNP」や、メモリの脆弱性を利用したフローアタックを阻止する「Shadow Stack」など、メモリ関連のセキュリティ機能も追加されている。
「EPYC 7003」シリーズでは、従来モデルからセキュリティ機能も強化されている |
プラットフォームはSocket SP3で、EPYC 7002のシステムでもファームウェアのアップデートで利用可能。CPUコア数は8コアから64コア、メモリは8チャンネルのDDR4-3200で、最大TDPは280W。
「EPYC 7003」シリーズには、コストパフォーマンスに優れるスタンダードモデルのほか、シングルスレッド性能を重視した高クロックモデルと、マルチスレッド性能を重視した多コアモデルの3つのセグメントが用意される | |
AMDの資料によれば、「EPYC 7003」を導入することで、Intel Xeonシリーズと比較して最大117%ものパフォーマンスアップが期待できるという |
なお各モデルのスペックと市場想定売価は以下の通り。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
AMD: http://www.amd.com/