2021.12.27 15:42 更新
2021.12.27 配信
東芝デバイス&ストレージは、HDDの大容量化を実現できるとして期待されている次世代磁気記録技術「共鳴型マイクロ波アシスト記録」(以下:MAS-MAMR)により、記録能力が改善することを世界で初めて実証した。
「MAS-MAMR」は、マイクロ波を局所的に記録メディアに照射することで記録能力を向上させる技術。原理的には「磁束制御型マイクロ波アシスト記録」より記録密度を高められるとされていたが、これまで実証されていなかった。
「双発振型スピントルク発振素子」により、より少ない電流で効率的にマイクロ波を発生させ、局所的に照射することが可能 |
MAS-MAMRによって従来から記録能力は6dB改善 |
しかし東芝デバイス&ストレージは、HDDのメディアメーカーである昭和電工株式会社と、ヘッドメーカーであるTDK株式会社の協力の元、新たに開発した素子・記録ヘッド・メディアを組み合わせることで「MAS-MAMR」効果の発現を確認し、記録能力の改善(約6dB)を世界で初めて実証した。
この技術を使用することで、将来的には30TBを超える大容量ニアラインHDDの実現が可能。また同社ではMAMR技術による現行のニアラインHDDの容量拡大や、「熱アシスト磁気記録」の開発も並行して進めていくという。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
東芝デバイス&ストレージ株式会社: https://toshiba.semicon-storage.com/