2022.03.08 23:00 更新
2022.03.08 配信
AMD(本社:アメリカ)は2022年3月8日(現地時間)、Zen 3アーキテクチャを採用する最新ワークステーション向けCPU「Ryzen Threadripper PRO 5000WX」シリーズを発表した。
2020年7月に発表された「Ryzen Threadripper PRO 3000WX」シリーズの後継モデルに当たる製品で、最大コア数は64コア/128スレッドのまま据え置かれているものの、コアアーキテクチャをZen 2からRyzen 5000シリーズと同じZen3に変更したことで、クロックあたりのパフォーマンスや動作クロックが向上している。
「Ryzen Threadripper PRO 5000WX」ではパフォーマンスだけでなく、セキュリティ機能も強化されている |
さらにCPUダイの構成も「4コア/L3キャッシュ16MB」x2から、「8コア/L3キャッシュ32MB」x1へと変わり、Zen 2で発生していたキャッシュアクセスの遅延が大幅に改善。そして「Max Boost Frequency」が全てのモデルで4.50GHzに引き上げられたことで、メニーコアCPUの欠点だったマルチスレッドに最適化されていないアプリケーションでも高速な処理が可能になる。
これらの改善により、最上位モデルではIntel Xeon Platinum 8280のデュアル構成と比較して、コアあたりのワットパフォーマンスは67%、レンダリング性能は37%、システム性能は最大で約2倍も向上しているとのこと。
製品ラインナップは64コア/128スレッドの「Ryzen Threadripper PRO 5995WX」を筆頭に、32コア/64スレッドの「Ryzen Threadripper PRO 5975WX」、24コア/48スレッドの「Ryzen Threadripper PRO 5965WX」、16コア/32スレッドの「Ryzen Threadripper PRO 5955WX」、12コア/24スレッドの「Ryzen Threadripper PRO 5945WX」の計5モデル。
AMDではISVと協力して、ソフトウェアの最適化も進めている |
いずれもTDPは280Wで、メモリチャネルは8チャネル、PCI-Express4.0レーン数は128レーンで、セキュリティ機能は制御フロー攻撃の検出や阻止を支援する「AMD Shadow Stack」に対応する。またAMDでは現在ISV(独立系ソフトウェアベンダー)と協力して、「Ryzen Threadripper PRO WX」シリーズへの最適化を進めており、すでに2倍以上のパフォーマンスアップを実現したソフトウェアもあるとのこと。
Lenovoからは「Ryzen Threadripper PRO 5000WX」シリーズを搭載したワークステーションが登場予定 |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
AMD: http://www.amd.com/