2023.01.05 12:30 更新
2023.01.04 配信
AMD(本社:アメリカ)は2023年1月4日(現地時間)、「CES 2023」の開幕に合わせて基調講演を実施。3D V-Cache技術を採用した「Ryzen 7000X3D」シリーズやノートPC向け「Ryzen 7045HX/Ryzen 7040」シリーズを発表した。
「Ryzen 7000X3D」シリーズは、SRAMキャッシュメモリをCPUダイの上に積層することでキャッシュ容量を大幅に拡張する事ができる「3D V-Cache」を採用した最新CPU。同技術を採用した製品は昨年4月にZen 3ベースの「Ryzen 7 5800X3D」が登場しているが、Zen 4ベースの「Ryzen 7000」シリーズでは初の製品になる。
Zen 3ベースの製品は8コア/16スレッドの「Ryzen 7 5800X3D」のみだったが、「Ryzen 7000X3D」シリーズでは、16コア/32スレッドの「Ryzen 9 7950X3D」(最高5.7GHz/キャッシュ144MB)、12コア/24スレッドの「Ryzen 9 7900X3D」(最高5.6GHz/キャッシュ140MB)、8コア/16スレッドの「Ryzen 7 7800X3D」(最高5.0GHz/キャッシュ104MB)の3モデル展開になり、よりハイエンドな構成でも利用できるようになっているのは嬉しいところ。
AMDの資料によればRyzen 9 7950X3Dは、Core i9-13900Kに対して最大で24%高速になるという |
Ryzen 7 7800X3DもRyzen 5 5800X3Dから大幅にパフォーマンスが向上 |
さらにRyzen 9シリーズの2モデルについては最高クロックも従来モデルと同等に設定されており、ゲーム環境では大幅なパフォーマンスアップが期待できる。なおいずれもTDPは120Wで、2023年2月中に発売が開始される予定だ。
またノートPC向けCPUとしてTDP 55W+のハイエンドゲーミング向け「Ryzen 7045HX」シリーズと、TDP 15~45WのスリムノートPC向け「Ryzen 7040」シリーズも発表された。
Ryzen 7045HXシリーズ |
「Ryzen 7045HX」シリーズのCPUコアは最大16コア/32スレッドのZen 4、最高クロックは5.4GHz、キャッシュは最大80MB、グラフィックコアはRDNA 2とされ、基本的には別途GPUを搭載しての運用を前提としている。ちなみにゲーム性能はRyzen 9 6900HX比で最大41%、クリエイティブ性能はCore i9-12900HX比で最大169%も向上しているとのこと。
「Ryzen 7040シリーズ |
「Ryzen 7040」シリーズのCPUコアは最大8コア/16スレッドのZen 4、グラフィックスコアはRDNA 3を採用し、AIストリームを4つ同時に処理できるRyzen AIに対応。これにより、マルチコアテストはApple M1比で最大34%、AI処理性能もApple M2比で最大20%、ゲーム性能は最大21%向上。また省電力機能にも優れ、最大30時間のロングライフバッテリ駆動が可能になるという。なお搭載ノートPCは2023年3月より発売が開始される予定だ。
Radeon RX 7600M XT |
その他、RDNA 3を採用するノートPC向けGPU「Radeon RX 7600M XT」も同時リリース。主なスペックはCompute Unitが32基、メモリバス幅128bit、ビデオメモリはGDDR6 8GB、TDPは75~120Wで、フルHD解像度ではGeForce RTX 3060 Laptop GPUよりも最大で31%高速になるという。
文: エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
AMD: https://www.amd.com/