2023.04.03 16:46 更新
2023.04.03 配信
AMD(本社:アメリカ)は2023年4月3日、Socket AM5向けエントリーチップセット「AMD A620」を正式発表した。
AMD B650チップセットの下位に位置づけられる製品で、メモリのオーバークロックには対応するものの、グラフィックスカード用のPCI Express 4.0(x16)レーンの分割機能や、CPUのオーバークロック機能、USB 3.2 Gen 2×2などのサポートが省略されている。
また基本的に対応するCPUはTDP 65WまでのRyzen 7000シリーズとされ、65Wを超える製品についてはマザーボードメーカーが採用するBIOSのAGESAバージョン次第になる。さらに起動できる場合でも電源回路によっては電力制限によってマルチスレッド性能が低下する可能性があるという。
TDP 65W以上のCPUはBIOSのAGESAバージョン次第になるとのこと。とは言え、これまでの状況を鑑みると多くの製品で、TDP 65W以上のCPUが動作することだろう |
ただし、電力制限についてはシングルスレッド性能が重要なゲームでは大きな影響はないとしており、AMDから提供されたスライドにも3種類のゲーミングPCの推奨構成が記載されていた。
Ryzen 7000シリーズとAMD A620を組み合わせたオススメのゲーミングPC構成。「PERFORMANCE GAMING」にはTDP 120WのRyzen 7 7800X3Dが入っていることからも、TDP 65W以上のCPUに対応するマザーボードが出るのは明らかだ |
こういった制限がある分、マザーボードの価格は85ドルからとかなり控えめ。これまでAMD Socket AM5プラットフォームは、Intel LGA1700プラットフォームのような低価格なマザーボードが存在しないというデメリットがあったが、AMD A620チップセットの登場により、コスト面のビハインドを解消することができるだろう。なお搭載マザーボードはすでにアナウンスされているASRock、GIGABYTEの他、ASUS、MSI、BIOSTARなどから4月中に登場する予定だ。
主なスペックはグラフィックスカード用のCPU接続レーンはPCI Express 4.0(x16)、合計レーンは32レーン(内4レーンはCPUとチップセット接続用)、チップセットのUSBポートはUSB 3.2 Gen 2が最大2ポート、USB 3.2 Gen 1が最大2ポート、SATAポートは最大4ポートまで対応する。
AMD A620のチップセットダイアグラム図。PCI Express 5.0には非対応になるが、現時点では問題にはならないだろう |
文: 編集部 池西 樹
AMD: https://www.amd.com/ja/