15W以下の設定で優れたパフォーマンスを発揮

AMD（本社：アメリカ・カリフォルニア州）は2023年11月2日（現地時間）、ノートPC向けCPU「Ryzen 7040U」シリーズに、Zen 4コアとZen 4cコアを搭載したハイブリッド構成の「Ryzen 5 7545U」を追加した。

スケーラビリティと電力効率を追求したZen 4cアーキテクチャでは、Zen 4と同等の機能セットを搭載しながら、コアサイズはZen 4から35％も小型化されている。また消費電力も抑えられており、特に15W以下の電力設定ではZen 4より省電力ながら、同等のIPCを維持することができるという。

ちなみにZen 4cを採用するCPUは、すでにデータセンター向けの「EPYC 97X4」と「EPYC 8004」が登場しているが、今回発表された「Ryzen 5 7545U」では、6コアのうち2コアにZen 4を、4コアにZen 4cを使用するハイブリッド構成を採用している。

Ryzen 5 7540Uに変わる形でアナウンスされたRyzen 5 7545Uでは、2コアにZen 4を4コアにZen 4cを採用する。またRyzen 3 7440UもZen 4cコアを採用しているとのこと

既存モデル「Ryzen 5 7540U」との比較では、コア数や動作クロック、キャッシュ容量は同じにも関わらず、15W以下の設定ではRyzen 5 7545Uのほうがマルチスレッド性能が高く、Zen 4cの強みが発揮されている。ただし、20Wを超えるような条件ではスコアが逆転している点には注意が必要だ。

なおAMDによれば、Zen 4とZen 4cによるハイブリッド構成は、同等の命令セットを備え、IPCもほぼ同等なことから、IntelのCPUで必要になる「Intel Thread Director」のようなタスクスケジュール機能は不要。またすべてのコアでSMT（Simultaneous Multi-Threading）機能が有効になっているのも大きなメリットと言えるだろう。

文： 編集部 池西 樹
AMD： http://www.amd.com/