2024.10.11 00:00 更新
2024.10.11 配信
Intel Corporation(本社:アメリカ カリフォルニア州)は2024年10月10日(現地時間)、開発コードネーム「Arrow Lake-S」こと最新デスクトップ向けCPU「Core Ultra 200S」シリーズを正式発表した。
昨年10月にリリースされた第14世代Intel Coreプロセッサの後継モデルで、高性能な「Pコア」と高効率な「Eコア」の2種類のコアを組み合わせたハイブリッド構成を継承しつつ、ノートPC向けCPU「Meteor Lake」や「Lunar Lake」で実装された3Dパッケージ技術「Foveros」によるタイル構造を採用する。
Pコアはこれまでの「Raptor Cove」から「Lion Cove」に変更され、分岐予測の深度や実行ポート数が拡張された。一方で、「Luna Lake」と同様にHyper Threading機能については廃止されている。
そしてEコアも「Gracemont」から、分岐予測の改善や、L2キャッシュ容量・帯域幅の拡張、ディスパッチポートの増加などの改良を加えた「Skymont」に変更。さらにL3キャッシュをPコアとEコアで共有する構成にしたことで、IPCはPコアが9%、Eコアは32%も向上しているという。
またIntelのデスクトップCPUでは初めてNPUを搭載しているのも特徴。ただし、「Lunar Lake」で実装された第4世代ではなく「Meteor Lake」と同じ第3世代NPUのため、AI処理性能は13TOPSに留まる。
内蔵GPUはXe-LPGベースへとアップグレードされた |
「Meteor Lake」と同じ第3世代NPUだが、若干パフォーマンスは向上している |
さらに「Core Ultra 200S」シリーズでは、モダンスタンバイやスレッドディレクターの改善、メモリ帯域の改良などによって電力効率が大きく向上している。第14世代Intel Coreプロセッサと比較して約半分の消費電力で、同等のマルチスレッド性能を発揮することができる他、ゲームではシステムの消費電力を最大で165Wも削減できるという。
これに伴いゲーム中のCPU温度は平均約13℃、最大約17℃も低下しており、静音性を改善できる点もアピールしていた。一方で、ゲーム性能そのものは同等か下回るものもあり、完全な優位性を発揮できていないのは気になるところ。このあたりは、実際のレビューでじっくりと検証していきたい。
製品ラインナップは24コア/24スレッドの「Core Ultra 9 285K」、20コア/20スレッドの「Core Ultra 7 265K」、14コア/14スレッドの「Core Ultra 5 245K」で、「Core Ultra 7 265K」と「Core Ultra 5 245K」にはGPUを無効化した「F」モデルが用意される。
「Core Ultra 200S」シリーズ第1弾は計5モデルがラインナップ。いずれも倍率ロックフリーの「K」モデルになる |
いずれもCPUソケットは最新のIntel LGA1851で、チップセットはIntel 800シリーズが投入される。なおグローバル市場向けには2024年10月24日より発売が開始される予定だ。
ハイエンドノートPC向けのCore Ultra HとCore Ultra HXは2025年第1四半期に投入される予定 |
文: 編集部 池西 樹
Intel Corporation: https://www.intel.com/