エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.8
2009.05.25 更新
文:テクニカルライター Jo_kubota
SSDは2.5インチサイズなので、市販の2.5インチ-3.5インチ変換アダプタを用意しよう。今回使ったのは、IDE用の2.5インチ変換アダプタだが、下記の写真のような金具だけの製品も販売されているので探してみて欲しい |
あとはドライブを装着し、完成だ。SX57H7はすでにSATAケーブルが丁寧に配置されているので、このあたりの取り回しは非常にラクだ |
早速だが、Windows Vistaをインストールし、軽くベンチマークを回してみた。比較に用意したのは、Intel純正マザーボード「Intel DX58S0」を一般的なケースに収め、にメモリはPC3-10600(1GB×3)、HDDには高速なWD740GDを搭載した。詳細は下記の通り。
デストップPC構成 | ||
CPU | Core i7-965 Extreme Edition/3.2GHz | |
M/B | Intel DX58S0 | |
VGA | GIGABYTE GV-N285-1GH-B | |
Memory | PC3-10600 DDR3 SDRAM 1GB×3 | |
HDD | Western Digtal WD740GD(10,000rpm/74GB/SerialATA) | |
DVD | GGW-H20N | |
OS | Windows Vista Ultimate | |
P/S | MACRON PSH700S-D(700W) |
DDR3 XMPメモリの効果についての考察は、CorsairのXMPメモリにて紹介しているので詳しくはそちらを参考にして貰うとして、3DMark Vantageを実行してみると、意外にも差が開く結果となった。前回とはOSが異なるほか、ベンチマークも異なるので断言はできないが、PC3-12800 DDR3 1600による効果と考えるのが妥当だろう。
ただ、GTX 285は自動でファンコントロールされているため、一定以上の温度になるとファンが高速回転に切り替わる。そのためある程度温度が上がっても実用上は差し支えない。またアイドル時の温度を見て分かる通り、デスクトップPCと遜色ないレベルを実現している。これはSX58H7を正面から見て左側にあるスリットがGTX 285と近い位置にある効果だろう
続いて最大消費電力をワットチェッカーで計測した結果がグラフ3だ。デスクトップと性能的に変わらないはずだが、SX58H7が省電力という結果となった。
大きな要因は、HDDとSSDという違いが大きいだろう。そして基板面積が小さく、実装部品が少ないSX58H7のメリットもあるだろう。またデスクトップで使用した電源ユニットの効率が悪かったことも考えられる。複数の要因はあるものの、一般的なデスクトップPCと遜色ない、あるいは上回る性能を発揮し、さらに省電力なSX58H7。イマドキのハイエンドはパーツ選定によって、消費電力が大きく変わる好例とも言える。
CPUクーラー各種モード | |
Smart Fan mode ※CPU温度80℃までは回転数固定 |
2000rpm
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Full On mode |
3850rpm
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Mid Speed mode |
3200rpm
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Low Speed mode |
2000rpm
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Ulow Spped mode |
1100rpm
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では、CPU負荷を思いっきり掛けた場合、どうなるのだろうか。3DMark Vantageで負荷をかけ、Samrt Fan modeと、Mid Speed modeにした場合のCPU最高温度を計ったのがグラフ4だ。
Smart Fan modeでは80℃を大きく超え、レッドゾーンに突入してしまっている。さすがにこの状態で使うには、危険があるため、Core i7-965 Extreme Editionを使う場合、CPUファンの回転数はあらかじめ上げたおいた方がいいようだ。
総額30万円のPCが、こんなに小さくていいのか、というくらいSX58H7は小型なわけだが、CPUに大きく負荷をかけるような場合は、CPUファンの回転数に注意が必要なものの、回転数さえ上げてやれば十分実用範囲となる。またGPUも温度はやや高めになるが、こちらも全く問題なく、加えて性能もスポイルされることもない。
PC3-12800メモリの是非は置いとくとしても、128GB SSDはぜひ導入したいところだ。インストールは本当にアッという間に終わり、全くストレスのない操作感はHDDでは得られない。Core i7-965 Extreme Editionとはいえ、HDDを使ってしまうと、HDDに引っかかってCPUが遊んでしまう。なかなか体感スピードを数字にすることは難しいが、今回製作したPCは、筆者がこれまで試したハイエンドPCの中でも1位2位を争うほどレスポンスがよかったことだけは付記しておきたい。