社員割引はあるのか?
- Patrick
実は学生時代に光華商場でアルバイトをしていました。
- 編集部:
そうなんですか。だから裏事情にも詳しいわけですね。Patrickさんは自作が好きだからアルバイト時代は色々得をしたんじゃないですか?
- Patrick
それはあまり感じませんでした。確かにパーツに囲まれての仕事は楽しいですが、社員割引のようなものは存在しませんでした。
- 編集部:
日本のショップでは社員割引が当たり前のようになっていますが、そういうメリットはないんですか。
- Patrick
逆に高くなりますよ(笑)。店頭価格はお客様のために安くしている価格なため、非常に薄利になっています。そんなアイテムでこれ以上の割引は社員でも認められないし、逆にお客様じゃないんだから普通の価格で買えという事ですね。ここも合理的といいますか、徹底されています。
- 編集部:
厳しいですねぇ。確かに日本でもCPUやハードディスクなどは驚くほどの薄利なので、社員割引が適用できない事はあると思いますけれど。そういえば台湾のショップさんで通販はやられているんでしょうか?
- Patrick
あまり成熟していません。これは国土の問題もあると思います。台湾は日本のように広くない上、バイクでみんな直接買いに行ってしまいます(笑)。バイク多いでしょう?ただ一部では日本のように自社サイトでの通販ではなく、Yahoo!やamazon、日本の楽天のようなポータルサイトでの通販を行っています。
- 編集部:
欲しければ自分で買いに行くという精神ですね。台湾国内の送料が高いのかなぁ。
- Patrick
いえ、日本よりも台湾は安いですよ。それでも通販はあまり利用しない。
- 編集部:
自分の目で見たいというのもあるんでしょうね。解るような気がします。
ポイント制度と驚くべきレシート宝くじ事情
- 編集部:
ちなみに光華商場の裏の通りに出ると、量販店のような規模のお店がありますよね。
- Patrick
はい。その辺りは昔とあまり変わっていません。
- 編集部:
ちょっと思ったのですが、日本には量販店クラスになると、ポイント制度というものがあります。ご存じですか?
- Patrick
はい。日本には頻繁に来るので、自分でも持っています。よく利用します。
- 編集部:
台湾の量販店でもポイント制度は存在するのでしょうか。
- Patrick
はい。ただし日本の量販店のように5%や10%などありえません。せいぜい2%程度じゃないでしょうか。ちょっと話はそれますが、クレジットカードを使うと手数料が加算されるお店も存在します。
- 編集部:
その話はよく聞きますね。日本でも同じですよ。
- Patrick
本当は手数料をお客様に請求してはいけないんですよね?
- 編集部:
はい。あくまでもお店が負担しなくてはいけない規約になっているのですが、薄利なPCパーツでクレジットカードで支払いがなされると、たとえば3%の利益設定ならばマイナス2%くらいになってしまいます。お店は赤字ですね。
- Patrick
台湾の場合、規制はよく解りませんが手数料はよく請求されているようです。大きなお店でも極たまにそんな話を聞きますね。そういえば、レシート宝くじはご存じですか?
統一發票・・・「JF」以下8桁に注目
- 編集部:
それ、驚きました、初めて聞いたときは。買い物をしたレシートが日本で言う宝くじのようになっていて、抽選でお金が当たるんですよね?それも宝くじ並の金額が。
- Patrick
そうなんですよ。台湾はおもしろい国です(笑)。レシートを宝くじのようにした理由は、脱税対策です。台湾は個人商店が非常に多く、それに比例して脱税が横行していました。当局側はその不正を減らす措置として、宝くじのような制度を設けたのです。
- 編集部:
つまり、お店側は今まで履歴の残らないいわば「どんぶり勘定」だったものが、お客さんは当然レシートを欲しがるので、出さざるを得ない。
- Patrick
その通りですね。ごまかしにくくさせるためです。合理的ですよね(笑)。ちなみにレシートをたくさん持っている方が当然くじに当たる確率が上がるので、一回に買い物をせず、数回に分けて買い物をし、レシートを集める人もいます。
- 編集部:
さらに合理的ですね、、、台湾の人には勝てないなぁ、、、
- Patrick
ただし夜市ではもらえませんよ。
- 編集部:
そうでしょうねぇ。
(第3回「台湾自作PC事情を聞いてみた」に続く)
さて次回は、台湾に多く存在するPCパーツメーカーの事情や、Lynnfieldのフライング販売に関する顛末について、深く聞いてみることにする。驚くべき台湾の自作事情に関する対談は、まだまだ続く、、、