エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.26
2010.01.18 更新
文:GDM編集部 池西 樹
グラフィック機能「Intel HD Graphics」を統合したIntelの新型プロセッサ“Clarkdale”が2010年1月8日11:00に販売が開始された。1月4日のレビュー解禁日にはすぐに各サイトにレビューが掲載され、「Intel G45」はもちろん、ベンチマークによっては「AMD 785G」を上回る性能であることが分かっている。
しかし現在レビューされているのは、GPUクロックが900MHzの「Core i5-661」ばかり。「Core i5-661」は現在20,000円程度と比較的高価で、私のようなお父さんユーザーにはなかなか購入しにくい価格だ。一方「Pentium G6950」は今回発表されたプロセッサの中で実売価格(執筆時現在)9,000円と最も安く、手が出しやすい価格だが、Turbo BoostやHyper-Threadingなどが削除され機能に一定の制限がある。これらの変更によりどの程度の性能に影響があるのか気になっているユーザーは少なくないのではないだろうか。
そこで今回は「Pentium G6950」と「Intel H55 Express」搭載マザーボードを実際に筆者が購入し、最も安価なAMD Socket AM3対応CPUである「Athlon II X2 240」と比較してみることにした。
AMD環境としては、ちょうど手元にあった「AMD 790GX」を搭載するマザーボードを用意した。一般的にはあまり取り上げられる事が無い上、「Intel HD Graphics」と同じくDirectX10.0世代のグラフィック機能を搭載しているという事で、比較対照としては丁度良いだろう。どちらの構成も20,000円程度と価格的にも近く、面白い比較になるのではと考えた次第だ。
「Pentium G6950」はラインナップ中、最もGPUクロックの高い「Core i5-661」と同じ“Clarkdale”コアを使いながら、Turbo Boost機能、Hyper-Threading機能などを制限したもので、今回発表された中で最も安いCPUとなり、実売価格は初売りながら9000円前後とLGA1156の中でも特に安価だ。一方「Core i5-661」は唯一GPUクロックが900MHzに引き上げられたモデル。グラフィック性能はラインナップ中で最も高いが、TDPも87Wと他のCPUより14W増えている。
逸る気持ちを抑えつつ、比較テストを行う前に「Core i5-661」と今回の主役となる「Pentium G6950」の主要スペックを確認しておこう。
(表1)■Intel Core i5-661とPentium G6950スペック比較
Core i5-661 | Pentium G6950 | |
開発コード | Clarkdale | |
プロセスルール | CPU部:32nm/GPU部:45nm | |
コア数 | 2 | 2 |
Hyper-Threading | ○ | × |
論理CPU数 | 4 | 2 |
CPUクロック | 3.33GHz | 2.8GHz |
Turbo Boost時 | 3.6GHz | — |
ソケット形状 | LGA1156 | LGA1156 |
L2キャッシュ | 256KB×2 | 256KB×2 |
L3キャッシュ | 4MB | 3MB |
GPUクロック | 900MHz | 533MHz |
メモリクロック | DDR3-1333MHz | DDR3-1066MHz |
TDP | 87W | 73W |
1月4日のレビューを見てからずっと気になっていた筆者は、発売日当日に早速秋葉原へ。一刻も早くそのパフォーマンスを確認したかったため、駅から最も近いPCパーツショップ「ソフマップ 秋葉原 中古駅前店」で購入する事に。このショップは中古パーツだけでなく新品のパーツも販売しているので個人的には非常に助かっている。価格は税込8,980円だった。
マザーボードはCPUと同時購入。今回「GA-H55M-S2H」を選択した理由は、10,180円と同店で一番安い「Intel H55 Express」搭載のマザーボードだったため。なお主な仕様は以下の通り。