エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.26
2010.01.18 更新
文:GDM編集部 池西 樹
今回は「Pentium G6950」とAM3環境でもっとも安価なCPUである「Athlon II X2 240」の性能を比較してみた。動作クロックも「Pentium G6950」と同じ2.8GHzであるため、クロックあたりの性能差を比較する意味でも都合がいい。
また「Athlon II X2 240」で使用するマザーボードはGIGABYTE「GA-MA790GP-DS4H」を用意した。「GA-MA790GP-DS4H」は「AMD 790GX」チップに、128MB DDR3 1333MHzのSidePortメモリを搭載したマザーボード。一時期流行した「Phenom II X3 720 Black Edition BOX」の4コア化の時に筆者がお世話になったマザーボードだ。搭載されているグラフィックチップは「RadeonHD 3300」で「Intel HD Grahpics」と同様にDirect X10.0までの対応となる。
Athlon II X2 240。OPNは「240OCK23GQ」となっていた | AMD環境で利用したマザーボードはAMD 790GXを搭載した「GA-MA79-GP-DS4H」 |
Athlon II X2 240のCPU-Zの結果。最低クロックは800MHzとなる | AMD 790GXのGPU-Zの結果 |
また「Core i5-661」のテストで引き合いに出される事が多い、NVIDIA「GeForce 210」も手元にあったため今回比較対象に加えた。ただし、今回用意できた「GeForce 210」搭載のビデオカードはメモリクロックがDDR3 800MHzの玄人志向「GF210-LE512HD/D3」で、DDR2 500MHzのリファレンスモデルより高速になっている。そこで念のためグラフィック系のベンチマークでは、500MHzにメモリクロックを下げた状態でもテストを行っている。なお今回のテスト環境は以下「表2」にまとめた通り。
「GF210-LE512HD/D3」のGPU-Zの結果。DDR3メモリを搭載し、メモリクロックが800MHzになっていることがわかる | メモリクロックを500MHzに下げた状態。グラフィック系ベンチマークではリファレンススペックの500MHzでもテストを行うことにする |
(表2)■テスト環境
Pentium G6950 | Athlon II X2 240 | |
クロック | 2.8GHz | 2.8GHz |
M/B | GIGABYTE GA-H55M-S2H |
GIGABYTE GA-MA790GP-DS4H |
Memory | A-DATA AD3U1333B2G9-DRH |
Corsair TWIN2X2048-8500C5D |
Memory容量 | 2GB×2 | 2GB×2 |
Memory設定 | DDR3-1066MHz | DDR2-1066MHz |
ビデオカード | オンボードグラフィック/ GF210-LE512HD/D3 |
オンボードグラフィック |
OS | Windows 7 Ultimate 32bit | Windows 7 Ultimate 32bit |
まずはCPUの性能をチェックするために「CINEBENCH 10」でのベンチマークを行った。内蔵グラフィックを使用するとメモリ帯域を余分に占有するため、ある程度違いが出ると思っていたが、「GeForce 210」を使用した時との差は無かった。
「Athlon II X2 240」との比較では1 CPU、x CPUとも2割程度高速になっている。
「Pentium G6950」の方が後発製品ということもあり、コア自体の性能は優秀なようだ。
今回チェックしたCPUはいずれもRendering(x CPU)の処理速度がRendering(1 CPU)に比べて1.95倍以上になっている。以前新型Atomのレビューを行った時に使用した「Celeron E1200」では約1.8倍だったことから、両CPUともマルチコアの最適化が進んでいるようだ。
システム全体の性能を総合的にチェックするために「PC Mark05」でベンチマークを行った。CPUの性能は「CINEBENCH 10」と同じような結果で2割程度「Pentium G6950」の方が高速という結果になった。
また、メモリについてはオンボードグラフィックを使用した時との差が無く、これも「CINEBENCH 10」と同様の結果となった。おそらくメモリベンチマーク時にグラフィック機能を利用していないため有意な差が出なかったのだと思われる。グラフィックテストについては「AMD 790GX」の結果が良く、「GeForce 210」に迫る性能となった。
ここでは「GeForce 210」を使用した時のスコアが僅かながら良くなった。これはオンボードグラフィックがメモリ帯域余分に占有しなくなるためだと思われる。「Athlon II X2 240」との比較では「Pentium G6950」の方が、1.0GB/s程度結果が悪くなった。
また、「Core i5-661」のレビューと比較すると全体的に「Pentium G6950」のメモリ帯域は低くなっている。これはメモリの対応が「Core i5-661」ではDDR3-1333MHzだったのに対して、「Pentium G6950」ではDDR3-1066MHzに制限されていることが原因だと思われる。
「Windows 7」がどの程度快適に動作するかを「Windows エクスペリエンスインデックス」で確認してみる事にする。
Pentium G6950オンボードグラフィックの結果 | |
GeForce 210利用時の結果 | |
Athlon II X2 240の結果 |
「Windows エクスペリエンスインデックス」の結果、メモリ以外は「Athlon II X2 240」のスコアが良かった。プロセッサについては「Pentium G6950」のスコアが上回ると想像していたので意外な結果となった。グラフィックスについては順当に「AMD 790GX」のスコアが良くなったが、今回のテストに於いて、実際の動作に違いを感じることはなかった。どちらの環境でも「Windows 7」は快適に動作できるだろう。