エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.29
2010.02.25 更新
文:テクニカルライター Jo_kubota
最初は、ベンチマークの定番「3DMark06」。デフォルト設定で実行した場合の消費電力が以下のグラフだ。
当然ながら電源ユニットが違うだけの、まったく同じシステムであるため、時間軸はピッタリ一致していることが分かる。そして、一目見て分かるようにPRO87+は、PRO82+よりも全域において低い消費電力を記録しているということだ。前半(~2分)の平均が、PRO87+は135W程度なのに対し、PRO82+は143Wと、8Wの差がある。後半(6~7分)でも、PRO87+は140W前後なのに対し、PRO82+は150W前後と10W開いた。負荷が高まるにつれ、その差が大きくなるようだ。
続いて3DMark06と同様にCPUおよびビデオカードへの負荷が高い、「バイオハザード5 ベンチマーク」にて、「ベンチマークB」を実行したのが次のグラフだ。計測は、ベンチマーク選択画面から、スコア表示までの1分45秒を取得している。
前半(10秒前後)にて多少、グラフの上下があるものの、時間が経過するつれPRO87+とPRO82+の差が開いていくことが分かる。特にベンチマーク終了時、PRO82+が140Wを記録したのに対し、PRO87+では133W程度となっている。またスコア表示時、つまりゲーム内でのアイドル状態でも5Wほどの差が出ている。
ここからは一般的なアプリケーションとして、CyberLinkのGPGPU対応エンコーダー「Media Show Espresso」での結果を見てみよう。
1280×720pのMPEG-2映像を、H.264にGPGPUを使ってエンコードした時の消費電力を記録したのが次のグラフとなる。計測は、「Media Show Espresso」を起動してから、動画を登録し、変換画面に切り換えた時点からスタートし、エンコードが終了するまでの時間となっている。
前半やや乱れているが、実際にエンコードを始めた15~55秒で見ると、両者の差は明らか。PRO82+は、80PLUS BRONZE認定を受けているが、PRO87+はさらに消費電力が低いことがよく分かる。
先ほどのMPEG-2ソースを「Windows Media Player」にてHDDから再生したときの消費電力を見てみよう。計測は、ファイルをダブルクリックしてから、再生が終了した時点までの3分20秒を記録している。
PRO82+では一箇所、飛びぬけてしまった部分があるがこれは無視して、以降の平均化された部分に着目すると、PRO82+は約89W、PRO87+は約84Wと、5Wの差がついた。長時間、動画を視聴することを考えれば、この差は意外と大きいと言える。たった5Wであるが、ACアダプタ数個分の待機電力と同等と考えれば、節電に敏感な人には、大きな違いに感じるのではないだろうか。
光学ドライブを回すBlu-ray再生の様子を記録したのが、アプリケーションテスト最後のグラフだ。
再生ソフトには、CyberLinkの「Power DVD 9 Ultra」を使用し、再生支援は有効としている。再生ソースは「銀河ヒッチハイクガイド」(MPEG4/AVC)を日本語字幕、英語音声で再生している。
計測は、Power DVD 9 Ultraを起動した状態でスタートし、再生を始めてから消費電力が落ち着く1分45秒までを記録している。前半部分の山は無視して、1分を過ぎて本編が再生された時点を見てみると、PRO82+が95W、PRO87+が89Wとなり、その差は6Wとなった。光学ドライブを回す分、12Vの消費電力が高まるわけだが、12Vラインが厚いPRO87+は、Blu-ray視聴においても、PRO82+より省電力ということが、よく分かる。繰り返すが、PRO82+は、80PLUS BRONZE認定を受けており、決してPRO82+が劣っているわけでなく、PRO87+が凄すぎるのだ。