エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.36
2010.04.30 更新
文:テクニカルライター Jo_kubota
分解前のテストを行っていこう。用意したPCシステムは、以下のとおり。
スペック表 | |
CPU | Intel Core i5-750(2.66GHz) |
M/B | msi P55-CD53 |
メモリ | DDR3-10600 2GB×4 |
VGA | GeForce GTX 260/SP216 |
HDD | HDT722516DLA380(160GB) |
Drive | LG GGC-H20N |
OS | Windows 7 Ultimate 64bit |
比較に用意したのは、同社の「CMPSU-750TXJP」(以下、TX750)および「CMPSU-650HXJP」(以 下、HX650)の2点だ。前者は、80PLUS(無印)に対応した750W電源ユニット、後者はモジュラーコネクタを採用し、80PLUS BRONZE認証を受けた650Wの電源ユニットである。また、CMPSU-950TXJPは以下、TX950と略させていただく。
まずはアイドル時の消費電力から。OSを起動し15分経過した時点でのシステム全体の消費電力を計測したのが、以下のグラフだ。HX650には、やや及ばないものの、TX750よりは低い結果となり、950Wでありながら750W電源ユニットよりもアイドル時の消費電力は抑えられている。
最初に3DMark VantageにてCPU TEST1/TEST2、GPU TEST1の消費電力の様子を見ていこう。計測方法は、各テストパートを個別に実行し、記録している。
CPU TEST1は文字通り、CPUのテストを実行するが、ここでは主にCPUのみを使い、GPUはほとんど負荷が掛からない。中盤に注目すると、TX950は、他2製品に比べて低めの消費電力となっていることが分かる。
同様にCPU TEST2の結果が以下のグラフだ。CPU TEST2は、PhysXを活用するため、CPUおよびGeForce GTX 260の両方を活用するテストとなる。こちらも若干だが、TX950が他2製品よりも省電力であることが伺える。とはいえ、その差はCPU TEST1よりも小さい。
続いて、GPU TEST1だが、このテストは女性スパイが洞窟の基地から脱出するシーンを追ったものとなっている。前半のスコアが荒れている部分は、HDDからロードしている時間の部分なので無視するとして、中盤の電力が高い部分に着目すると、TX950は比較的安定して低い消費電力を記録している。同じ80PLUS BRONZEのHX650の方が、ごくわずかだが、高くなっている。
ゲームベンチマークから、カプコンのバイオハザード5のベンチマークBモードを実行したのが、下記のグラフだ。前半部分では、HX650が他2製品よりも低めとなっているが、中盤以降ではTX950がHX650を下回る消費電力となっている。
CPUを酷使する、3DCGのレンダリングベンチマークとして、CINEBENCH R10を実行したのが下記の結果だ。ベンチマークの立ち上がり部分では差が見えないものの、レンダリングの割り振りが終わり、レンダリングが開始されると、グラフはきれいな水平となる。この水平部分を見ると、TX950、HX650、TX750の順で消費電力が低くなっている。
1280×720pのMPEG2映像を30秒再生した際の結果が次のグラフだ。TX750が、他の2製品に比べて、やや高めの消費電力となっているが、TX950、HX650はほぼ互角の消費電力と言える。
効率チェックの最後は、PCのストレスツール OCCTのPSU TESTを実行してみた。このテストはCPUおよびGPUの両方に負荷をかけるため、消費電力が高くなるテストである。グラフには波が発生するものの、TX950およびHX650は、概ね同程度の消費電力となっている。
これまで見てきたように、TX950は950Wという大容量ながら、650WのHX650とほぼ同等ないし、やや下回る消費電力を記録しており、容量あたりの効率から言えば、十分に省電力な電源ユニットと言えるだろう。