エルミタ的「一点突破」CPUクーラー編 Vol.26
2012.07.06 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
まず「TPC 812」の肝となるバーティカルベイパーチャンバー(Vertical Vapor Chamber)を知っておこう。
Vertical=垂直レイアウトされたVapor=蒸気 Chamber=空間スペースは、熱移動を行う板状のもので、その原理はヒートパイプに酷似している。
空洞になった板状内部には、冷媒となる液体を封入されている。熱源で熱くなった冷媒は内部で気化し、熱源とは反対方向へ移動。移動先にはアルミニウム製放熱フィンと冷却ファンが待ち構えており、冷却されることで液化し、熱を放出する。このサイクルを繰り返すことで、CPUの熱を素早く放熱フィンへ移動させる事ができるというワケだ。前述通り、多くのCPUクーラーで採用されているヒートパイプと原理は似ているものの、板状にすることで接触面も広く、さらに薄型化できるという利点がある。
なお市販の汎用CPUクーラーでの採用は世界初と謳われているが、SAPPHIRE(「VAPOR-X」等)やGALAXYブランドのVGAクーラーで、既に利用されているのはご存じの通りだ。
ベイパーチャンバーとヒートパイプが使われている事を強調するトッププレート。それぞれにはキャップが取り付けられ、外観上の見栄えにも手抜かりはない |