エルミタ的「一点突破」CPUクーラー編 Vol.26
2012.07.06 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
サイドフロー型CPUクーラーが大型化されたのは、言うまでもなく高い冷却能力を狙うため。しかしその代償として、メモリスロットと冷却ファンの物理的干渉の問題に直面する確率が非常に高くなっている。
「TPC 812」も例外ではなく、120mm口径ファンのフレームがメモリスロット上に覆い被さるように搭載することになる。このモデルに限った制約ならブーイングの大合唱となる所。近頃のサイドフロー型CPUクーラーではもはや「やむなし」と言ったところだろう。
MSI「Z77A-GD80」搭載時。2本のメモリスロットまで完全に冷却ファンが多い被さっている事がわかる |
GIGABYTE「GA-Z77X-UD5H」搭載時。CPUソケット側から2本目のメモリスロットならギリギリ装着できるかと思い、高さ52mmのヒートスプレッダ付きメモリの装着を試みるも断念。汎用性を高める意味から45度角度がつけられたヒートスプレッダ付メモリを出せば、それなりに需要があるのではないだろうか |
今回は搭載イメージとして、MSI「Z77A-GD80」とGIGABYTE「GA-Z77X-UD5H」の 2枚を用意し、それぞれメモリスロットと冷却ファンの位置関係を確認してみた。画像を見ると分かるように、GIGABYTEの方が、若干CPUソケットと メモリスロットの間隔が開いている。とは言え、いずれのマザーボードも2本のメモリスロットに冷却ファンのフレームが覆い被さっており、高さ52mmの ヒートスプレッダ付きメモリを搭載する事はできなかった。
苦肉の策として、ヒートスプレッダを回避できる高さまで冷却ファンをスライドさせるという方法も考えられるが、よりスマートに行くならば、120mm口径15mm厚の冷却ファンに換装するという手も考えられる。
以前レビューした「風神スリム」搭載の120mm口径15mm厚ファンの単品モデル「XtraFlo 120 Slim」(型番:R4-XFXS-16PK-J1)に換装したところ、これがベストマッチ。ヒートスプレッダ付きメモリを使いたければ、是非コレをお勧めしたい |
高パフォーマンスを謳うCPUクーラーをチョイスするユーザーの多くは、価格も手頃で見た目も豪華なヒートスプレッダ付きOCメモリを使おうと考えるだろう。大型化するCPUクーラーがこれほど多く市場に流通している以上、マザーボードベンダーはサーバー向けに限定せず、斜め付けされたメモリスロットを積極的に採用して欲しい。
ヒートスプレッダ無しのメモリであれば、MSI「Z77A-GD80」(上)もGIGABYTE「GA-Z77X-UD5H」(下)も装着は可能 |