エルミタ的「一点突破」CPUクーラー編 Vol.26
2012.07.06 更新
文:GDM編集部 松枝 清顕
「TPC 812」をすみずみチェックしたところで、冷却能力をテストしていこう。なんと言ってもこれまでのサイドフロー型CPUクーラーとはひと味違う“バーティカルベイパーチャンバー”を採用する期待のモデルだけに、どれほどの能力を秘めているのだろうか。
なお「TPC 812」は、PWMに加え、ケーブルタイプのアダプタを接続する事で固定動作にも対応するため、今回は2パターンで計測を行っている。
エルミタ的「一点突破」CPUクーラー編レギュレーション CPUクーラー計測環境および計測方法 |
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1.マザーボードはケースに組み込まない状態で計測する (ケースファンなどケース内エアフローの影響を受けない状態で、できる限りCPUクーラー本来の性能を見る 2.マザーボードなどの各種設定はデフォルトのまま行う 3.CPUに100%負荷をかけ、計5回のテストを実行 4.騒音値は、ファンから30cmの距離で計測 5.高負荷状態はストレステストツール「OCCT 4.3.1」を使用 (アイドル時および高負荷時(100%/30分)の数値を計測) 6.CPU温度計測には「OCCT 4.3.1」を使用(全コア平均値) 7.ファン回転数は「SpeedFan 4.46」を使用 |
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【参考モデル】Intel Core i7-3770K同梱純正CPUクーラー
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まずは通常のPWMファンモードで、CPUコア温度を計測してみよう。テスト環境の室内温度は25.9℃で、騒音値は29.9dBAだった。またコア温度結果は、4コアの平均値としている。
計測日と室内温度に違いはあるものの、リテールクーラーの高負荷時86℃に比べ、「TPC 812」では-28℃を計測。ちなみにアイドル時でさえリテールクーラーの37℃に対し30.2℃で-6.8℃の差が付いている。CPUコアとヒートスプレッダの関係で物議を醸すIvy Bridgeだが、この結果は極めて優秀といえるだろう。
一方で騒音値を見ると、アイドル時33.5dBA、高負荷時42.2dBAとなり、静音性をアピールするには十分の数字だ。なお高負荷時の冷却ファン回転数は1,844rpm。「TPC 812」の最大回転数は2,400rpm±10%だから、まだ余力がある計算になる。
次に行ったのは、同梱されている「Silent mode adapter」使用時のテスト。このアダプタを冷却ファン電源ケーブルに接続する事で、回転数を最大1,600rpmに抑える事ができる。
テスト結果は、アイドル時32.1℃、高負荷時60.5℃。回転数が抑えられているだけあって、“順当に”数値は上がっているものの、高負荷時でデフォルト比+2.5℃に収まっている。また騒音値は高負荷時で37.5dBAとなり、-4.8dBAの静音化に成功。今回テストで使用したCore i7-3770Kなら、“静かに冷える”「Silent mode adapter」を積極的に活用してもよさそうだ。